No.5 温度試験槽の温度変動の実際(設定温度による温度のバラつき)
『業務に活(ツカ)える情報 No.5』
インキュベータ、恒温槽などの試験室装置の性能は、日々の「試験結果」に影響します。
- ●試験結果に影響を与える要因は
-
- ファンの回転ムラなどが増加し、風量が低下する。
- ヒーターが劣化し、温度が不安定になる。
- 温度センサーの経年変化により温度表示に誤差が生じる。
- など
これらを未然に防ぐには「性能評価試験」を定期的に実施しない限り確証がとれません。
実際、インキュベータでは、こんなことが起こっている場合があります。
《実例》設定値による庫内温度の振る舞いの違い
~インキュベータ(同一型式)でのテスト結果より~
●対象設備
名称:インキュベータ
●測定条件
測定箇所:9点(上下四隅と中央)
内部負荷:無負荷
設定値:23℃/32℃/43℃
ケース1:測定箇所(9点)の温度が大きく変動している
ケース2:設定値から一定の温度差で安定している
ケース3:9点の測定箇所が大きく変動し、設定値との温度差も大きい。
ケース1・2・3では、下記の様なことが発生してきます。
- 管理点の温度が庫内の代表温度になっていない
- インキュベータ内の分布温度は目的の温度から逸脱しているかもしれない
- 決め事(SOP等)に適した場所に設置していない
- メーカーの性能表示を満たしていない
等々
解決策は!
規格が求める「性能評価試験」を実施することです。
▼関連「装置の実験データ」はこちら
No.6 性能評価試験方法が新規格に移行
No.8 恒温槽の非有効空間温度の実測
No.27 バリデーションの実施内容 「恒温槽」
No.28 気相での温度センサの熱応答速度(時定数)
No.29 センサの仕様による温度変動の違い
No.30 試験に用いる温度センサの時定数(実測結果)
No.46 準拠する規格の新・旧による結果の違い(JTM規格)
▼このページの「メルマガ記事」はこちら
メールマガジン第6号 インキュベータ、恒温槽の庫内温度の変動例を当社ホームページに開示しました。