No.7 バリデーションの外部委託の考え方と留意点
『業務に活(ツカ)える情報 No.7』
バリデーションの外部委託はできるのか?
お客様と外部委託先による分業を考察します。
●お客様と委託先で、バリデーションを棲み分けると
1.ユーザ主導によるバリデーションの領域
・パイロット段階迄における目標製品品質のための生産手段検討、決定の領域
・実生産におけるPQ[Process performance Qualification]:工程稼働適格性の実施の領域
2.外部委託できるバリデーションの領域
・DQ[Design Qualification]:設計の化学的根拠・妥当性と適格性確認
医薬品・医療機器製造において、新設される設備、または既存の設備について目標とする品質(中間体・製剤の品質、医薬品製造の品質規格、工程の管理)が同設備または、システムで実現されていることを設計段階の資料を使って検証・立証します。
・IQ[Installation Qualification]:据付状態の適格性確認
医薬品・医療機器等の製造設備が設計(施工図)通りに施工され、据え付けられている事をそのフィールドで検証・立証します。
・CAL[Calibration]:取付機器の単体・ループでの適格性確認
医薬品・医療機器製造設備のOQ(稼働性能適格性確認)の基礎として使用されている、測定機器の単体・ループが、品質に必要な精度(医薬品製造の品質規格工程の管理規格)を満たしていることを確認します。
・OQ[Operational Qualification]:稼働状態の適格性確認
医薬品・医療機器製造設備の目標とする機能が同設備又はシステムで実現されていることを稼働試験を行い検証します。
と責任を持った分業依託が可能です。
規格が求めている外部委託先の要件とは
規格が求める実施者の備えるべき要件
●社会的に独立性があること
独立性があるとは、当該企業の資本が独立していて、系列下になく、判断が独自にできることです。
●専門性があること
専門性があるとは、バリデーション、キャリブレーションに対して、専門の知識・ノウハウを持ち、専門の要員で、専用の仕組みで実施出来ることです。
◆これらの備えるべき要件は「外部委託先」を決定するときの重要なポイントになります。◆
バリデーションを具体化できる委託先の条件とは(安心して任せられる委託先の条件)
●各々の設備で、DQ・IQ・CAL・OQの段階で、バリデーションの進め方を確立していること
当社は
1.リスクから展開された設備別の61種類の基本仕様書をストックしています。
2.各項目で実施すべき内容を記載した基本作業書を準備できます。(種類は、基本仕様書と同じです。)
●業務の推進をシステマチックに実行できること
1.ノウハウの詰まった体系的な独自の資料を持っています。
基本仕様書、基本作業書、バリデーション実施計画書、結果記録書
2.業務は、ISOのQMSとして推進されます。
■当社のISO認証範囲(製品/サービスの範囲)
「計測器・計量器等の校正業務」並びに、「医薬品・医療機器・食品・化粧品等の製造設備・機器のバリデーション業務」
当社に委託された貴社のメリット
●審査側は、バリデーションドキュメントにケチがつけられない。
その理由は
1.ISOの認証でシステムが保証されている。
2.根拠を持ったドキュメントになっているので、質問に、すぐ対応できる。
●ご担当者の負担が軽減する。
その為に
1.本来業務に没頭していただける。
2.標準器管理・工程管理などが不要になり、全体コストをダウンできる。
●自社の状況により、工程の一部もしくは全部を、分業として依託させられる。
それにより
お客様の不得手な工程・経験不足な工程の実施要員不足を補うことができる。