メールマガジン第31号 新設備導入時のバリデーションの具体的な確認方法
前回のメルマガでは、コンピュータ制御されている設備・装置の
バリデーションのポイントについてご紹介しました。
今回は、新たに設備を導入することになった時とか、既存の設備を改造
しなくてはならなくなった時に必要となってくる、据付時適格性確認(IQ)
で行われるキャリブレーションの重要性についてお話したいと思います。
据付時適格性確認(IQ)とは、施工が終わった段階で、設備や機器の
据付作業が適格に行われたかどうかを確認するものです。
それは、設備の仕様書、機器の仕様書、据え付け図、配線図などを、
現地で一つ一つ確認していく地味な作業といえます。
「何をもって据え付けの適格性」を云うのか、それがポイントとなります。
【本 文】
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据付時の適格性は、[配線確認]作業にも要求されています
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《通常、配線の確認作業では》
導通の有無(ON/OFF)で、誤配線等の有無を確認します。
⇒しかし、微小な信号を扱う回路(計装の配線)は、これだけで確認が
十分だとはいえません。
●と、いうのは、
ブザーやランプでの導通確認では”合格”であっても、例えば、
端子の締め付けの緩みなどに起因する配線、動力回路からのノイズが、
計測数値や、運転状況に影響を出す場合があるからです。
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では、具体的にどうやって確認すればよいのか?
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■ それは、キャリブレーションの手法を応用します。
>> このキャリブレーションの手法を使ったIQ作業では、
検出部が出力する信号を模擬的に作りだし、検出部~操作部にある
機器の動きをデータ的に確認することで、単なる導通確認だけでは
検出することが難しい施工上の問題点を発見できます。
【当社ではこれを『模擬ループキャリブレーション』と呼称しています】
▼ 模擬ループキャリブレーションのイメージはこちらでご覧いただけます
https://www.validation-wa-nks.jp/2009/1029_110000.phpでご覧いただけます
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『模擬ループキャリブレーション』を行うメリット
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>> そのメリットとは、稼働時適格性の確認(OQ)前に行うキャリブ
レーションの二度手間を極端に少なくできることです。
模擬ループキャリブレーションを行うことで、新設の設備でしばしば
みられる計器の設定間違いや仕様間違いなどを早い段階で発見し、
対処することができます。
《時間のロスで考えると》
模擬ループキャリブレーションでの確認より、実際の物理量を与える
仮運転でのキャリブレーションの方がはるかに多いものなります。
●仮運転でのキャリブレーションで、結果が思わしいモノでなければ
2回実施することになります。
その時の時間(ひいては費用)やその為の工程の調整の事を考えると、
IQの段階で、模擬ループキャリブレーションを先に実施するメリットは
大きなものと当社は考えます。
★当社では、上記の様な
現場でバリデーションを実施する立場で生まれた経験から、お客様の
お役に立つアドバイスを行っています。
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▼バリデーション(適格性確認)の具体的な事例は、
当社ホームページでご覧いただけます。
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