メールマガジン第40号 インキュベータの性能評価とキャリブレーション(校正)の違い
前回のメルマガは、昨年あるお客様から頂いたお問い合せの
キッカケ(お客様の状況)になった出来事をご紹介しました。
今回は、そのご質問「試験室設備(インキュベータ)の性能評価試験と
キャリブレーション(校正)の違いが分からない」について、
その違いを具体的にお伝えします。
【本 文】
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まず、確認する対象が違います。
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>> 家庭でお使いのオーブンを例にして考えると
□キャリブレーション(校正)とは
オーブンの庫内温度を測定している『温度計が』正しい表示をすること
を確認することです。
クッキーを170℃で焼いている、つもりでいても、誤差が大きくて
実は200℃だったりすれば、仕上がりは残念なことになります。
■性能評価試験とは
オーブンの『庫内が』所定の温度(例えば170℃)で安定していることを
確認することです。
庫内という、ある大きさを持つ空間が対象なので、クッキーの生地を
置く場所によって焦げたり生焼けに仕上がらないかを確認するわけです。
●この様に、キャリブレーション(校正)と性能評価試験では
確認する対象が違います。
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作業面でも違いがあります
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>> 上記と同じくオーブンを例にすると
□キャリブレーション(校正)では
標準(基準)の温度計と、オーブンの温度計とを同じ温度の熱源に
挿入、測定し、その表示値の差(誤差)を確認します。
■性能評価試験では
標準(基準)の温度記録計で、オーブン庫内の複数点の温度を記録し、
その温度のバラツキ(温度分布)や安定の度合いを確認・評価します。
●この様に、使用する機器も含めて作業方法も大きく異なります。
▼具体的な作業対象の範囲と作業方法は、こちらからご覧頂けます。
https://www.validation-wa-nks.jp/2010/0121_110000.php
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「管理された状態を維持」するためには両方の実施が必要です
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□キャリブレーション(校正)は
工程や装置の運転状態を日常管理の記録として残す際の数値(計器)の
正しさを担保するために実施します。
■一方の性能評価試験は、
上記の数値(計器)を日常管理の数値として用いてもよいかどうかを
判断するため、実施が必要になります。
●つまり、ある計器の値を日常管理の数値とするには、その数値が工程や
装置の状態等を表す代表的なモノであることを、前もって確認し、評価
しておく必要があるのです。
従って、設備を維持管理する上では一般的に両方の実施が必要になります。
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当社は、どちらの作業もお届けしています。
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当社では、
現場で性能評価試験・キャリブレーション(校正)を実施する立場で
生まれたノウハウで、お客様が必要とされる業務のアドバイスも
行っています。