メールマガジン第42号 是正指摘を受けたオートクレーブの管理方法〔解決編〕
前回のメルマガでは、あるお客様からお問い合せを頂いた
「オートクレーブの実使用状態での滅菌性能保証の仕方が
分からない」のキッカケ(お客様の状況)になった出来事を
ご紹介しました。
今回は、そのご質問の視点と解決策を具体的にご紹介します。
|前回のメルマガの内容はこちらでご覧になれます。 |
|https://www.validation-wa-nks.jp/2010/0128_113000.php |
【本 文】
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〔視点1〕なぜ監査員は「それでは保証がない」と言ったのか?
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>> それは、
「バリデーションの実施内容が実際の使用状況を考慮していないため、
その結果をもって”滅菌できていること”を保証出来ない」から。
□ 滅菌の温度には様々な要素が影響します。
バリデーションの試験条件はこれらの要素を考慮しないと、実際の
使用時に滅菌不良となる可能性がでてきます。
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〔視点2〕どんな要素が影響するのか?
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>> それは、以下のケースが考えられます。
・実際の滅菌物が水でなく培地なら・・・
・液量がバリデーション時より多ければ・・・
・滅菌負荷物をめいっぱい入れたなら・・・
・場所による温度の偏り(分布)があれば・・・
□ 実際に当社が測定した中で、滅菌タイマーが作動してから10分後に
負荷物(液体培地1000ml)がやっと滅菌温度に到達した例があります。
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〔解決策〕具体的な対処はどのようにすればよいのか?
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>> バリデーションの実施条件を決める際に、下記の内容を検討する
必要があります。
○滅菌負荷物の量・内容
これらがいつも一緒という場合はその内容でよいですが、そうでない
場合は使用上想定される最大の負荷量・内容を設定します。
○運転条件(温度、時間、圧力)
「この運転条件で滅菌できる」ということを確認するためにバリデー
ションを行うので、その作業前に確定することはできませんが、
試運転や過去の傾向等から滅菌負荷物の温度上昇の遅れを加味して、
設定します。
○温度の測定位置
カゴが上下2段なら、それぞれの四隅、中心と制御/品温用センサ、
ドレン部等に設置します。設備・負荷物・積荷形態毎に検討する
必要があります。
● 上記の内容を検討・設定し、バリデーションを行うことで、
実際の使用条件での滅菌性能を保証することができます。
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当社では、
現場で性能評価試験・キャリブレーション(校正)を実施する立場で
生まれたノウハウで、お客様のお役に立つアドバイスを行っています。
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