No.27 バリデーションの実施内容 「恒温槽」
「恒温槽」の構成や仕様により、多少の違いはありますが、
以下に場面ごとの一例を挙げます。
最初に、恒温槽が入ってきた時に依頼したモノが性能を発揮できる状態で
あることを確認します。(これを据付時適格性確認(IQ)といいます)
□ 据付時適格性確認(IQ)では
●仕様/能力(型式)の確認
設備の仕様/能力が納入仕様書等に記載の通りであることを確認するため、銘板や型式等をチェックする。
●寸法の測定
設備の寸法が納入仕様書等に記載の通りであることを確認するため、寸法(内寸・外寸)を測定する。
●用役(ユーティリティ)の
仕様確認、測定
仕様確認、測定
設備の運転に必要なユーティリティが取説等に示される条件に適合することを確認するため、電源の電圧、周波数等を測定する。
...等
次に、計器が正しく動作することを確認します。(これを校正(キャリブレーション)といいます)
□ 校正(キャリブレーション)では
●計器単体の校正
IQの一環として計器を受け入れる際の確認です
温度センサや記録計等の単体の計器が正常であることを確認するため、校正を行う。
温度センサや記録計等の単体の計器が正常であることを確認するため、校正を行う。
計器配線工事後のチェックです
●模擬信号を用いた配線の確認
(模擬ループキャリブレーション)
(模擬ループキャリブレーション)
配線が正しく行われていることを検出部(温度センサ)の出力部から模擬信号を入力して確認を行う。
(配線+表示部が確認の対象で、検出部は含まない)
(配線+表示部が確認の対象で、検出部は含まない)
模擬ループキャリブレーションのイメージはこちらでご覧になれます。
https://www.validation-wa-nks.jp/2009/1029_110000.php
●ループの校正
OQ直前で計器のループとしての精度を確認することです
温度センサから表示部までの一連の測定システムが正常である(想定される精度内にある)ことを確認するため、校正を行う。
温度センサから表示部までの一連の測定システムが正常である(想定される精度内にある)ことを確認するため、校正を行う。
ループ校正のイメージはこちらでご覧になれます。
https://www.validation-wa-nks.jp/2010/0225_110000.php
最後に、使用する前に実際のモノが性能を満足しているかを確認します。
□ 稼動性能適格性の確認(OQ)では
●温度分布性能の確認
恒温槽内の温度の偏りの程度を確認するため、複数点の温度を測定する。
●温度の制御性の確認
恒温槽の温度がどの程度安定しているのかを確認するため、一定時間の温度の変動を測定する。
...等
■ 恒温槽のOQについて準拠規格等の詳しい情報はこちらでご覧頂けます。
https://www.validation-wa-nks.jp/jirei/shikenshitsu_2.php
▼関連「装置の実験データ」はこちら
No.5 設定温度による温度のバラつき
No.6 性能評価試験方法が新規格に移行
No.8 恒温槽の非有効空間温度の実測
No.28 気相での温度センサの熱応答速度(時定数)
No.29 センサの仕様による温度変動の違い
No.30 試験に用いる温度センサの時定数(実測結果)
No.46 準拠する規格の新・旧による結果の違い(JTM規格)
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