メールマガジン第49号 温度試験槽の検証に使用するセンサの実際
前回のメルマガでは、恒温槽内の温度測定時の盲点の実例と
温度センサの選択時の考え方をお届けしました。
今回は、前回のメルマガの延長線上にある、当社が現場で
使用する温度センサの時定数・データなどをご紹介します。
【本 文】
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温度試験の現場で使用される温度センサは・・・
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>> 温度試験槽の検証では、使用者の要求等によって、様々な
温度センサを使用します。
例えば、
高い精度が要求される測定では、精度の高い「白金測温
抵抗体の温度センサ」を使用する必要があります。
□ ただし、規格にマッチしていることが条件です
使用する温度センサが規格にマッチしていないと、先週号で
お届けしたように、同じ測定を行っても評価が異なってくる
可能性があります。
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どうすれば規格にマッチしているといえるのか
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>> 使用する「白金測温抵抗体の温度センサ」の時定数が、規格の
範囲内のセンサであることを確認することが必要です。
〔時定数とは〕
温度測定値の始点と終点の差の63.2%に要する時間です。
時定数が大きいとは、63.2%に要する時間が長いと言うこと。
時定数が小さいとは、63.2%に要する時間が短いと言うこと。
つまり、時定数が小さい程、敏感だと言えます。
□ 実際に使用される温度センサの時定数をご紹介します。
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現場で使用しているセンサの時定数!
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>> 実際に使用している代表的な温度センサの測定データや時定数は
▼ こちらでご覧頂けます。
https://www.validation-wa-nks.jp/wp/2010/0325_110000.php
□ ご覧頂いた様に、「白金測温抵抗体の温度センサ」の時定数は、
規格に載っている「5mm黄銅球付きの熱電対」の時定数と極めて
似ていることが分かります。
● つまり、この白金測温抵抗体を検証に使用しても良いことになります。
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検証データがあれば安心!
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>> 上記の様に、似た時定数を持ったセンサであれば、該当する
規格の基準で評価しても大丈夫と考えます。
(規格からもそのように読み取れます)
● “規格に準じた温度センサであることを使用前に検証して
おくこと”で現場作業では、センサの設置のし易さや要求
仕様を考慮して様々なセンサの中から、最適なセンサを選ぶ
ことができます。
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お客様のご要求に適したアドバイスを行っています。
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>> インキュベータの温度分布やオートクレーブの温度分布、
被滅菌物の温度上昇、熱浸透試験などの現場での作業に
おいて様々なご要望にお応えしています。
●当社は、
フィールドでバリデーションを実施する立場で生まれた
ノウハウで、お客様のお役に立つアドバイスを行っています。