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No.32 オートクレーブでの熱浸透測定(実測結果)

オートクレーブや乾熱滅菌器等で、対象を一定時間、高温状態にして滅菌する場合、
対象の素材やサイズにより滅菌温度まで昇温に要する時間が異なります。
その為、確実に滅菌されていることを保証するためには、その工程を検証する必要が
あります。
今回は、当社がオートクレーブで実際に測定した被滅菌物(液体培地)の温度データを
その一例としてご紹介します。
 ~~〔滅菌〕とは?~~
  あらゆる微生物を完全に殺滅又は除去する状態を実現するための
  作用・操作をいいます。


1.温度測定の方法

1.1 測定に用いた温度センサ
以下の形状、タイプの温度センサを用いました。
温度センサ
1.2 測定条件
測定は以下の条件にて実施しました。
 ●オートクレーブ
  ・槽内寸法:高さ410mm、Φ370mmの円筒型
  ・槽内に上下2段のバスケットを設置
 ●記録計(温度の測定)
  ・型式 :DR-230(横河電機製)
 ●PC(温度データの収集)
  ・データロギングソフトウェアはDAQWORX DAQ32Plus(横河電機製)
   記録計で測定したデータを10秒おきにPCにて収集する。
 ●温度センサの設置場所
  ①液体培地 20ml (試験管)
  ②液体培地 100ml (三角フラスコ)
  ③液体培地 1000ml (三角フラスコ)
  ④オートクレーブの制御センサ付近
  【設定値】
   ・設定温度 122℃
   ・滅菌時間 30分
1.3 測定システムのイメージ
温度測定システム

2.測定した結果(被滅菌物の温度上昇)

2.1 測定データのグラフ
温度推移グラフ

3.上記の結果からいえることは

 □ 液体培地の容量が多くなるに従い、設定温度(122℃)に達するまでの時間が
   長くなります。
 ● 従って、オートクレーブは事前に想定される最も厳しい条件(負荷物の量、内容等)で
   検証しておくことが、使用時の滅菌状態の保証で重要になります。


▼関連「装置の実験データ」はこちら
 No.28 気相での温度センサの熱応答速度(時定数)
 No.29 センサの仕様による温度変動の違い
 No.30 試験に用いる温度センサの時定数(実測結果)
 No.61 オートクレーブでの熱浸透測定(実測結果)
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