第52号 恒温水槽内の温度は安定しているのか?
前回のメルマガでは、オートクレーブ(高圧蒸気滅菌器)における
被滅菌物の大きさで生じる滅菌温度までの到達時間の違いを
実測データでお届けしました。
今回は、日本薬局方等で厳しい要求がある恒温水槽内の、実際のところを
測定しましたので、ご紹介します。
【本 文】
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恒温水槽内の温度は安定しているのか?
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>> 日本薬局方では、厳しい安定温度《±0.1℃》を要求しているが、
本当に、恒温水槽内がその通り安定しているのか疑問に思いました。
そこで、一般的に使用されている恒温槽水内の温度分布を
槽内の上下・左右の各点(9点)で測定しました。
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恒温水槽内の温度分布を測定すると・・・。
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>> 日本薬局方の試験又は貯蔵に用いる温度で試験しました。
測定結果は、試験温度が高くなるほど、槽内温度分布のバラツキが
大きくなりました。
▼ 測定箇所と温度データは、こちらでご覧頂けます。
https://www.validation-wa-nks.jp/2010/0415_110000.php
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やはり、安定していない場所がありました。
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>> 日本薬局方の要求にマッチしない場所があります。
上記の測定では、70℃設定の時に、水面に近い場所やヒータに近い
場所の4ヶ所で規格要求の±0.1℃を越えてしまいます。
→他の恒温水槽でも同じ様な傾向になっていると考えられます。
■ その場所を使って、試験を行うのは規格上はもちろん拙いですし、
現実的にも粘度測定など測定値が温度に依存する試験は結果に
大きく影響するため、問題があります。
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問題を解決する方法が2つあります!
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■ ひとつ目は、使用する場所を指定(制限)するために、安定している
場所を確認することです。
■ ふたつ目は、不安定な場所を安定させることです。
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│★☆ 次週号では、この温度を安定させる一例をご紹介します ☆★ │
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お客様のご要求を現場で、確実に実現しています。
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>> 「上記の恒温水槽の温度分布」や「オートクレーブの温度分布」
「被滅菌物の温度上昇」「熱浸透試験」などの現場での作業において
様々なご要望にお応えしています。