No.34 恒温水槽内の温度を安定させる工夫とその効果
前回の業務に活(ツカ)える情報 No.33で、恒温水槽内の温度の安定性を測定した結果をご紹介しました。
▽https://www.validation-wa-nks.jp/2010/0415_110000.php
今回は、現場でみられるようなエアコン等の気流による恒温水槽の温度への影響と、その影響を小さくする工夫、及びその効果を測定したデータをご紹介します。
1.温度測定の方法
前回(業務に活(ツカ)える情報 No.33)と同じです。
2.気流による温度への影響
恒温水槽の温度設定値を50℃に設定したときの測定結果は以下のようになりました。
□ 0.2℃で温度が変動している点がみられます
3.気流による影響を小さくする工夫をしてみました
その工夫とは、
恒温水槽の液面にPPボールを浮かべることです。
外気に触れる液体の表面を覆うことで、外部からの
影響を受けにくくします。
PPボールとは・・・
ポリプロピレン製のボールです。(その名のままですね)
中空になっており、液面に浮かべることで保温の
効果や蒸発を抑える効果が得られます。
4.工夫した結果
PPボールを浮かべて恒温水槽の温度設定値を50℃に設定したときの測定結果は以下のようになりました。
□ 温度の変動が0.1℃以下収まっています
5.上記の結果から
□ PPボールを用いると、恒温水槽の温度の安定に効果があることが認められました。
▼関連「装置の実験データ」はこちら
No.28 気相での温度センサの熱応答速度(時定数)
No.29 センサの仕様による温度変動の違い
No.30 試験に用いる温度センサの時定数(実測結果)
No.33 恒温水槽内の温度の安定性(実測結果)
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