No.36 マノスターゲージの取付姿勢による誤差
マノスターゲージ(差圧計)の取付姿勢による誤差について測定したデータをご紹介します。
1.差圧測定の方法
1.1 測定に用いたマノスターゲージ(差圧計)
・型式 : WO81 (山本電機製作所製)
・測定レンジ : ±1000 (Pa)
・精度 : ±1.5% (30Pa)
・標準の取付姿勢 : -20度~100度
(水平を0度とした時)
1.2 測定に用いた圧力計(微差圧計)
・型式 : DPI610
(GEセンシング・ジャパン社製)
・測定レンジ : ±1250 (Pa)
・精度 : ±0.05%Span (1.25Pa)
1.3 測定条件
測定は以下の条件にて実施しました。
●取付姿勢による誤差の測定
・圧力の測定
: -1000 / -500 / 0 / 500 / 1000 (Pa)
・マノスターゲージ(差圧計)の取付姿勢
: 0度(水平) / 45度 / 90度(垂直) / 135度 / 180度(下向き水平)
※取付姿勢による影響を見るため、測定するマノスターゲージの標準の
取付姿勢以外の角度も測定します。
1.4 測定イメージ
測定に使用した機器と接続イメージは以下の通りです。
2.測定した結果
2.1 測定結果のデータ
■ 測定結果の一覧を以下に示します。
※角度を変える毎にゼロ点を調整してから、測定しました。
■ 測定した角度・圧力点毎の誤差をグラフにすると以下のようになります。
2.2 上記の結果を纏めると
□ 取付姿勢による測定値の変化が見られた
□ 標準の取付姿勢の範囲(0/45/90度)では、それぞれの結果の差は僅かであった
□ テストした全ての角度でテスト器の精度(±1.5%=±30Pa)以内であった
3.誤差を少なくする差圧計の正しい使い方
マノスターゲージを現地に据え付けたときに以下の3つを行います。
□ メーカ指定の取付姿勢(角度)で取り付ける
⇒ 発注時に指定が必要な場合もあります
□ ゼロ点を合わせる
⇒ 取付姿勢によるズレを直す必要があります
□ 実際の圧力をかけて校正する
⇒ 取付姿勢により測定値が変わるので、実際の現場での状況を
確認する必要があります
■ 上記が全て現地で行われていれば、正しい数値を示すマノスターゲージ(差圧計)が
据え付けされていると考えます。
※ 差圧計が測定対象(例えば室間の差圧)を正しく測定していることを保証するには、
上記以外に接続先と正しく繋がっていること、配管途中のつまり・つぶれのないこと、
漏れのないこと等の確認も必要になる場合があります。
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No.35 マノスターゲージの取付姿勢によるゼロ点の変化
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メールマガジン第55号 マノスターゲージは取付け姿勢で値が変わる!(その2)