No.37 配線抵抗による温度指示値の変化
■IQシリーズ■ ~IQの段階での問題について~
温度センサの配線抵抗による値の変化について測定したデータをご紹介します。
1.測定の方法
1.1 測定に用いた温度計
・型式 : DR-230 (横河電機製)
ユニバーサル入力モジュールとの組合せ
・測定レンジ : -140.00~150.00 (℃)
・入力信号の抵抗値 : 10Ω以下
(測温抵抗体、1線あたり)
(写真は横河電機(株)様のHPより引用)
1.2 測定条件
測定は以下の条件にて実施しました。
・温度センサ(測温抵抗体)の出力を模擬的に作るための抵抗器(1台)と、
配線の抵抗を入力する抵抗器(3台)を接続する。
(1.3 測定システムのイメージ参照)
・配線の抵抗値を変化させて、温度計の指示値を確認する。
【 検査点 】
・温度 : 0℃ / 100℃ (相当する抵抗値を入力する)
・配線の抵抗値 : 5,10及び20~200Ωまで、20Ω毎
1.3 測定システムのイメージ
単純な形で表すと以下のようになります。(図中のPt、a、b、cは6ダイヤル抵抗器です)
上図を一般的に現場でみられる温度計で表すと、以下のようになります。
2.測定した結果
2.1 測定結果の一覧
上に示した測定値の一覧を、誤差で示すと以下のようになります。
2.2 測定データのグラフ
検査点(0℃/100℃)からの誤差をグラフに表すと、このようになります。
2.3 結果を纏めると
■ 温度計の仕様範囲内では、温度に変化は見られませんでした。
■ 配線の抵抗値が、温度計の仕様を超えて大きくなるにつれ、温度が低くなりました。
3.測温抵抗体を使う場合の注意点
■ 温度計の仕様範囲内の配線の抵抗値で使用する。
⇒ どんな配線なら使用できるのか一例を挙げると、
今回の温度計は配線抵抗値が『10Ω』以下です。
これを長さで表すと
よく使われる太さの0.75mm2の配線では『400m』程度、
もう少し太い1.25mm2の配線では『600m』程度に相当します。
● つまり、今回の温度計なら、上記の長さを超えない範囲で
使用する必要があります。
( 配線の抵抗値は太さ、長さ、材質等により変わります。)
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