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No.45 扉の開け閉めによる保管物の温度変化

■OQ[保管]シリーズ■
保存・保管する等の用途で使われている保冷庫の扉の開け閉めによる
庫内温度(庫内の空気の温度)への影響についてコチラで紹介しました。
https://www.validation-wa-nks.jp/2010/0624_110000.php
今回は、保冷庫に実際に保管している容器に入った薬品やサンプル自体の
温度が扉を開けている時間によって、どのくらい庫内の温度が影響されるのか、
調べてみることにしました。


1.測定の方法

1.1 測定手順
測定は以下の手順にて実施しました。
 ① 保冷庫の中央に水を入れた容器を設置
 ② 容器内部の温度を温度計で連続測定
 ③ 庫内の温度が安定するまで待つ
 ④ 扉を一定時間開放して、閉じる
 ⑤ 扉を開放する時間を変えて、②③を繰り返す
 【 検査点 】
  ・扉の開放時間 : 5秒/10秒/30秒/1分/3分
  ・負荷物(内容物) : 5/100/500/1000ml (水、ポリ容器入り)

2.測定した結果

2.1 測定グラフ
■ 扉の開放時間別の温度上昇幅をグラフで表すと以下のようになります。
HP4501.jpg
2.2 結果を纏めると
 ■ 5秒の開放時間では温度の上昇が見られなかった
 ■ 10秒より長くなるにつれ、温度の上昇幅も大きくなる
 ■ 3分の開放では最も容量の多い1000mlでも温度の上昇が見られ、
   最も容量の少ない5mlでは1.8℃の上昇が見られた。

3.温度の上昇を抑えるために

業務に活える情報No.43No.44でもお伝えしたように、扉の開放時間を短くすることが
重要なのはもちろんですが、小容量のものは数秒で温度が変化してしまいます。
極力温度の変化を抑えたい場合は、容器を保温することが有効と考えられます。
今回の測定で最も温度の変化が鋭く大きかった5mlの容器を発砲スチロールの
容器(厚み10mm程度)に入れ、保温の効果を確認しました。
HP4515.jpg
■ 保温の有無による温度変化の違いをグラフで表すと以下のようになります。
HP4502.jpg
 ■ 保温した方の容器は、3分間扉を開放しても温度の上昇は僅かで、
   十分に効果があることが確認できました。


▼関連「装置の実験データ」はこちら
  No.43 扉の開け閉めによる庫内温度の上昇
  No.44 『出し入れ「さっさ」』の製作
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 メールマガジン第63号 [保管シリーズ]扉の開閉は保管物温度にどれぐらい影響するか