メールマガジン第63号 [保管シリーズ]扉の開閉は保管物温度にどれぐらい影響するか
前回は、[保管シリーズ]の3回目として、「さっさ」の範囲内で
サンプルを出し入れ出来る装置『出し入れ「さっさ」』の作り方や
使い方をお届けしました。
今回は[保管シリーズ]の4回目として、保冷庫の扉の開け閉めによる
「保管物への温度の影響」を測定しましたのでご紹介します。
【本 文】
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扉の開閉では保管物自体の温度はそんなに変わらない!?
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>> 保冷庫では数mLの少量から数Lの多量のサンプルを保存しています。
これらのサンプルの温度変化について考えてみると
大容量に較べ、少容量の容器にいれたサンプルの温度は、庫内の
温度変化に敏感に反応しそうだ、と感覚的には知ってます。
しかし、どれぐらい影響するか実態を知らずに保管しています。
● 大事なサンプルを安心して保管できる様に、容量の違いによる
温度変化を測ってみることにしました。
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小さい容量では、ここまで影響するんだ!
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>> 5mL、100mL、500mL、1Lの容器に水を入れて、
扉を開けた時の温度の変化を測定しました。
▼ 測定方法とデータは、こちらでご覧頂けます。
https://www.validation-wa-nks.jp/2010/0708_110000.php
● 容器の大きさと影響の出方の関係は思った通りでしたが、
5mLのサンプルは、ここまで温度が上がると思ってなかったので
チョットびっくりしたのが本音です。
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そこで、サンプルへの影響を小さくする手立てをとりました
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>> その方法は、容器を発泡スチロールで断熱することです。
今回の測定で、最も温度の影響が大きかった5mLの容器を発泡
スチロールの容器に入れて、再び測定を行いました。
▼ 上記と同様の試験結果は、こちらでご覧頂けます。
https://www.validation-wa-nks.jp/2010/0708_110000.php#s1
● 上記のデータの様に、5mLのサンプルの温度変化をかなり
押さえ込むことが出来ました。
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この保管シリーズを通じて、保管庫の特徴が見えてきました!!
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>> 保管庫をテーマとして取り上げたことで、温度に関わる特徴が
いくつかハッキリしてきました。
■ 庫内の保管位置による温度のバラツキが大きい
■ 扉の開け閉めにより、庫内温度は結構変化する
■ 断熱材の効果は極めて大きい
■ これらの特徴は保管庫毎に違っている
● 保管庫を使用するにあたって
最も重要なことは、所持している保管庫の特徴を把握して、
使用目的にあった使い方をすることだと考えます。