No.46 準拠する規格の新・旧による結果の違い(JTM規格)
■OQ[保管]シリーズ■
同じ装置から収集したデータでも、試験規格の違いにより、評価の結果が異なってしまうことがあります。
今回は、実測した結果を二つのJTM(日本試験機工業会)規格に当てはめ、その結果をみてみます。
1.測定の方法
1.1 測定手順
測定は以下の手順にて実施しました。
① インキュベーターに温度センサ(9点)を設置
(測定位置は次項参照)
② 庫内の温度が安定するまで待つ
③ 庫内の温度データを収集する(1分/回、30分間)
④ 収集したデータから、二つのJTM規格で評価結果を求める
JTM規格① JTM K07 温度試験槽-性能試験方法及び性能表示方法(2007)
JTM規格② JTM K01 恒温恒湿槽-性能試験方法及び性能表示方法(1998)
※このページではJTM K07規格を新規格、JTM K01規格を旧規格と称します。
【 検査点 】
・設定温度 : 25℃
・負荷物(内容物) : 無し
1.2 測定位置
2.測定した結果(測定データと算出結果のグラフ)
2.1 新・旧規格における「温度の偏り(いわゆる温度分布)」での結果の違い
2.2 新・旧規格における「温度変動」での結果の違い
3.性能を正しく把握するために
上記の通り、同じ収集データであっても結果の算出に用いる規格が異なれば、おのずと得られる数値も異なってきます。ですので、カタログ等で、性能を見るときには性能の”数値”だけでなく、その数値を導き出した規格も合わせて確認することが必要です。
■ 特に、現在はJTM規格が新規格への移行期間中で、新・旧規格のいずれも
有効であるため注意が必要です。
※本ページでの算出結果は一例であり、差異の出方は機種・設定等により異なります。
▼関連「装置の実験データ」はこちら
No.5 設定温度による温度のバラつき
No.6 性能評価試験方法が新規格に移行
No.8 恒温槽の非有効空間温度の実測
No.27 バリデーションの実施内容 「恒温槽」
No.28 気相での温度センサの熱応答速度(時定数)
No.29 センサの仕様による温度変動の違い
No.30 試験に用いる温度センサの時定数(実測結果)
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メールマガジン第64号 [保管シリーズ]同じ装置でも評価結果の値が違う。なぜ?