メールマガジン第65号 [乾燥シリーズ]乾燥機内の場所によって温度が違う!?
前回は、[保管シリーズ]の5回目として、日本試験機工業会の新・旧の
試験規格で、同じ装置でも評価結果が違ってくることをお届けしました。
今回からは、次のテーマとして、乾燥する装置を取り上げていきます。
[乾燥シリーズ]の1回目として、ポピュラーな循環式の熱風乾燥機の
乾燥温度の実態をご紹介します。
【本 文】
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乾燥温度はどこでも同じ様な値??
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>> ムラのない乾燥が出来ている熱風乾燥機は
□ 庫内には、安定した熱風が流れるため、庫内の気流は一様と考えられ
温度のバラつきも少ないように思えます。
□ また、実際に設備を使用している場面でも、安定した品質の製品が
いつも出来ていれば、乾燥機内の温度も安定していると考えます。
しかし、以前調べた保冷庫のデータでは、庫内温度のバラツキが結構
大きい結果でした。
(https://www.validation-wa-nks.jp/2008/1030_000000.php)
そこで、熱風乾燥機ではどうなっているのか?と思い、庫内の温度を
調べることにしました。
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保冷庫と同様に、庫内の四隅と中央の9点で測定をしてみました。
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>> 温度設定値は40℃と80℃にして測定しました。
▼ 測定方法・データと算出結果は、こちらでご覧頂けます。
https://www.validation-wa-nks.jp/2010/0722_110000.php
● 保冷庫と同じ様に、
設定値により、温度の分布(偏り)が見られ、温度差の大きい
ところでは〈2℃〉になることが分かりました。
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想像以上の温度特性・・・!!
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>> この熱風乾燥機では、以下の温度特性が見られました。
□ 乾燥機の前面扉に近い場所の温度が、目立って低い。
□ 設定温度が高くなるほど、全ての場所の温度差が拡大する。
● この様に、乾燥機の特徴を把握し
製品を乾燥できる範囲(場所)を確認することも重要と考えます。
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実態は、測定してみないと分からない!
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>> 上記のデータから、今回の熱風乾燥機では、設置されている環境温度に
影響されていると考えられます。
●やはり、保冷庫と同じように、設置された場所で・使用環境下で
目的とする温度になっていることを確認することが重要なことと
言えると思います。