メールマガジン 第70号 伸び縮みする記録計の記録紙!?
前回は「真空凍結乾燥機の実態 その2」として、棚位置とそこに置く
試薬・溶液の温度[品温]の実態をお届けしました。
今週お届けする予定でした「真空凍結乾燥機の実態 その3」は、先週号の
結論と同様のため、棚温と品温データを整理したグラフの紹介に変更
致します。
▼ 棚温と品温データを整理したグラフは、こちらでご覧頂けます。
https://www.validation-wa-nks.jp/2010/0902_110000.php
今回は、製造記録・品質記録として使用されることが多い、装置に付属する
記録計の記録紙の性質についてご紹介します。
【本 文】
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紙は伸び縮みしている。
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>> 壁に貼ったポスターが、梅雨時になると弛んできて、冬になるとピーンと
張っている状態をよく見かけます。
この現象は、ご存知の様に、紙が湿度によって伸び縮みしていることで
起こっています。
■ そこで、湿度が現場で使用している記録計の記録紙に、どんな影響を
与えているか調べてみることにしました。
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記録紙はどれぐらい伸び縮みするのか?
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>> 現場でよく使用される記録紙を、湿度を変えて測定しました。
▼ 測定方法とデータは、こちらでご覧頂けます。
https://www.validation-wa-nks.jp/2010/0902_111000.php
■ この結果が、記録紙から読み取る値にどれぐらい影響するか
考えてみます。
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温度記録紙の伸び側の誤差はどれぐらいになるだろうか?
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>> 温度記録紙の仕様が「レンジ:0 – 200 ℃」「幅:200mm 」のものを
湿度80%の場所で使用した場合
● 200℃を印字する位置は、
上記のデータから、湿度80%では0.3%伸びますので、
記録紙の200℃の定位置より、0.6℃低い場所に記録されます。
→つまり、記録紙上では、0.6℃の誤差が生じることになります。
▼ 記録の誤差イメージは、こちらでご覧頂けます。
https://www.validation-wa-nks.jp/2010/0902_111000.php#id1
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記録紙は目安とするのがベターです。
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>> この様に、湿度によって記録紙が伸び縮みしてしまいますので
正確な位置に記録されないことが起こってきます。
従って、記録紙を製造記録等に添付する場合は、
温度などの数値を保証するものではなく、数値は目安として考えて
一連の作業の実施記録として取り扱うことがベターではないでしょうか。
▽▽▽—–《業務に活えそうな情報です》—
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