No.54 電源電圧によるタイマー作動時間の変化
設備・装置などの作動時間を設定・制御する目的で色々な場所で使われているタイマー。
(タイマーの写真はパナソニック電工(株)様のHPより引用)
普段はあまり意識することはありませんが、設置している環境によって
制御する時間に影響が出ていることがあります。
前回は温度による作動時間への影響について測定しました。
→結果はこちら(環境温度によるタイマー作動時間の変化)をご覧下さい。
今回は、電源が必要な計器にとって重要な要素、【電源電圧による影響】は
どの程度あるのか、測定することにしました。
また、温度との関係も見るため、環境温度も変化させてみました。
1.測定の方法
1.1 測定に用いたタイマー
・型式 : PM4S (パナソニック電工製)
・設定レンジ :1s/10s/1min/10min (4レンジ切り替え)
→今回は【10min】に設定して測定します。
・定格電圧 : 100 ~120V
・精度(電圧の影響) : ±1%以内 (定格電圧の85%~110%の変化に対して)
※ダイヤルで時間をセットするタイプは、目的値に設定する時に誤差
(”セット誤差”といいます)がありますが、今回は手順①以降、タイマの
設定を変更しないので、セット誤差は無視します。
1.2 測定手順
測定は以下の手順で実施しました。
①タイマーを【10min】に設定する。
②タイマーを恒温槽の内部に設置する。
③スライドトランスで検査点の電圧に調整する。
④恒温槽の温度を検査点で安定させる。
⑤スイッチを押してタイマーを作動開始し、タイムアップ(ブザーが鳴る)まで
ストップウォッチで時間測定行う。
【 検査点 】
電圧 : 85V / 100V / 132V
→定格電圧の85%、100%、110%で検査します。
温度 : -10℃ / 20℃ / 50℃
→使用周囲温度の上下限と中央で検査します。
設定時間 : 10分
1.3 測定のイメージ
2.測定した結果
2.1 測定結果のグラフ
タイマーへの供給電圧を変えた時の、各設置場所の温度での測定値は
以下のようになりました。
■ 100V/20℃の作動時間を基準としたときの、各供給電圧及び環境温度での
作動時間の測定値のグラフ
2.2 結果を纏めると
■ タイマーへの供給電圧が定格電圧より低いと作動時間は長く、
また定格電圧より高いと作動時間は短くなる。
■ 電源電圧と設置場所の温度では、測定した範囲では設置場所の
温度の方が影響が大きく出た。
▼関連「装置の実験データ」はこちら
No.53 環境温度によるタイマー作動時間の変化
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