第77号 ノイズの影響で圧力計の指示がふらついた!?
前回は、輸入設備での温度センサーに「熱電対」を使った工事で生じた
温度誤差についてお届けしました。
今回は、現場で遭遇した「圧力計の指示のふらつき」と「ノイズ」について
ご紹介します。
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ここでの「ノイズ」は
「機器の動作を妨げる余計な電気信号」
という意味で使っています。
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【本 文】
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ある現場で起こった怪現象
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>> この現場では、設備を稼働させると圧力計の指示値が「パラパラ」と
変動する怪現象が起こりました。
多くの技術者は、過去の経験から、こんな時は動力を送る配線からの
ノイズでは?と考えます。
■ そして、圧力計の配線を動力を送る配線から遠ざけると、指示値は
「ピタ」と安定してしまいます。
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本当にノイズだろうか?
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>> そんな疑問を抱いて、ノイズ発生器を使ってテストしてみました。
▼ 測定方法とデータは、こちらでご覧頂けます。
https://www.validation-wa-nks.jp/2010/1021_110000.php
■ 現場で経験したような「パラパラ」とした圧力指示値の変化が
再現できました。
⇒ やはり、あの圧力計の指示値の動きは、ノイズの影響だったと
考えられます。
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ノイズの発生源は色々あります。
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>> 実際の現場のノイズは、多種多様な装置・機器から発生しています。
例えは、
「直流電源を交流電源に変換するインバータから出ている配線」
「高電圧装置の付近」などが考えられます。
■ 従って、今回のテストの様な単一のノイズとは考えにくいと思います。
⇒だから、現場の状況に応じた対策をが必要となります。
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やってみる価値のあるノイズ対策
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>> 現場で試行錯誤でやってきたノイズ対策があります。
● シールド電線のシールドは、大地に接地する。
● シールドされた電線を短く配線する。
● 動力線との間に、遮へい板を設置する。
● 高電圧装置などの発生源の近くに配線しない。
等々
■ ノイズかな?と思った時には、一度試してみては如何でしょうか