第81号[OQシリーズ]「オートクレーブを使った特殊容器の滅菌」の対応事例
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OQ(稼働時適格性確認)シリーズ[特殊容器の滅菌]
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今回より、記事のスタンスを分かり易くするために、上記の様に
バリデーションの段階などをタイトルで表していきます。
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今回は、最近、あるお客様からご依頼をいただいた「オートクレーブを
使った特殊容器の滅菌」の当社の対応事例についてご紹介します。
[ちなみに、ここで取り上げますオートクレーブは、高圧蒸気滅菌器
とも呼ばれ、高温高圧の飽和水蒸気により滅菌処理する機能を持って
いる装置です。]
【本 文】
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『お客様のご要求』は!
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● オートクレーブのOQ(稼働時適格性確認)として、
①通常、対象となる被滅菌物や器内の温度測定と
②それと特殊容器内の半密封空間での温度測定
のご依頼を戴きました。
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ここでの半密封空間とは「特殊容器内の被滅菌物」と、
「その容器のフタ(栓)」の間の空間のことを言います。
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⇒ 当社は、これらのお客様のご要求を作業レベルに落とし込む
ことから始めます。
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最初に、根拠のある「作業内容」を決定しました。
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>> 決定に使ったのは、次の2つのドキュメントです。
①当社オリジナルの個別バリデーション仕様書
→この書類は、装置の機能から導き出した根拠から、個別の
作業内容を決定することができます。
②参考にしたJIS規格
・JIS T 7324:2005 医療用小型高圧蒸気滅菌器
・JIS T 7322:2005 医療用高圧蒸気滅菌器
⇒ ①②を使って、お客様のニーズを細かく聞いていきながら、
特殊容器の熱浸透試験のOQの作業内容を決定しました。
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妥当性のある「OQ作業」を実施します。
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>> 実施する作業のひとつひとつは、客観的な妥当性を持たせています。
その立証根拠になり得ることは
①ひとつひとつの作業は、全て資格者により実施すること
②整備された作業手順を使用すること
③トレーサビリティが確立された標準器を使用すること
です。
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納得戴けた検証結果!
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>> 事前の想定では、半密封空間の温度は、被滅菌物の熱容量にもっと
影響されるのではと思っていましたが、ほぼ器内の温度と同じ傾向を
示すことが分かりました。
⇒ この検証で、半密封空間も許容できる温度範囲内であることが分かり
特殊容器のOQ結果に納得して戴けました。
■ この様なお客様の特殊なご要求も
当社は、フィールドでバリデーションの実務を行ってきた
ノウハウで、どんな環境においても実現しています。