No.62 ブルドン管式圧力計の使用環境温度の影響
[温度が圧力指示値に及ぼす影響]
どこの現場でも必ず一つはある、といっても過言でないブルドン管式圧力計。
目にすることが多い測定器の一つだと思います。
使用場所は屋内外を問わず、また屋内でも空調されたクリーンルーム内であったり、
機械室の蒸気ラインであったり、その環境温度も様々です。
⇒ブルドン管式圧力計は主として金属で出来ています。と、いうことは温度による
金属の収縮(=指示値への影響)や弾性の変化が考えられるので、これを確認
することにしました。
1.測定
1.1 測定対象の圧力計
・名称 : ブルドン管式圧力計(φ100 普通型)
・測定レンジ : 0.00~0.05MPa
・精度 : 1.6級 (±1.6~2.4%F.S.)
・使用温度範囲: -5~+45℃
1.2 基準にした圧力計
・名称 : ポータブル圧力キャリブレータ
(加減圧ポンプ一体型)
・測定レンジ : 0.00~0.07MPa
・精度 : ±0.025%F.S.
(写真はGEセンシング&インスペクション・テクノロジーズ(株)様のHPより引用)
1.3 測定の方法
測定は以下の方法で実施しました。
①恒温槽にブルドン管式圧力計を入れる
②基準の圧力計とブルドン管式圧力計をチューブで接続する。
③恒温槽を25℃にする。
④基準の圧力計で検査点の圧力を加え、その時のブルドン管式
圧力計の指示値を読み取る。
⑤恒温槽を50℃及び0℃にして、同様に測定を行う。
【検査点】
圧力値 : 0.005 ~ 0.05MPaまで0.005MPaステップ
環境温度: 0/25/50℃
1.4 測定の状況
2.測定した結果
2.1 測定結果の一覧表
■許容値内に収まってはいるものの、25℃の時には誤差ゼロの計器が
50℃の環境では許容値ギリギリまで誤差が大きくなっています。
2.2 「環境温度」による「ブルドン管式圧力計の誤差」のグラフ
3.正しく使用するために
■ 一般的に計器は、使用する環境温度が決められています。
今回の圧力ゲージでは【-5~45℃】で使用するのが前提ですが、実際の現場では
直射日光や蒸気配管の熱等で、この温度範囲を超えることがあります。
そんな時には、『遮蔽板で熱を遮断』、『熱源から離す、取付け場所を変える』
あるいは『耐熱型を使う』など、状況に応じた対策をとることで、環境温度による
影響を抑えることができます。
▼関連「装置の実験データ」はこちら
No.40 環境の変動による温度表示への影響(熱電対入力の場合) br>
No.41 環境の変動による温度表示への影響(測温抵抗体入力の場合) br>
No.53 環境温度によるタイマー作動時間の変化 br>
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第84号[IQシリーズ]ブルドン管式圧力計の使用環境温度の影響 br>