バリデーション関連メルマガ 第90号 [OQシリーズ]オートクレーブでの真空時の温度変化
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OQ(稼働時適格性確認)シリーズ[真空時のオートクレーブ内の各部温度]
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今回は、衣料などの滅菌に使用する「真空にするタイプのオートクレーブ」
での真空時の温度変化をご紹介します。
[ここで取り上げますオートクレーブは、高圧蒸気滅菌器とも呼ばれ、
高温高圧の飽和水蒸気により滅菌処理する機能を持っている装置です]
【本 文】
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空気を含む衣料は滅菌温度に上がりにくい
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>> オートクレーブを使って、空気を多く含んだ衣料などを滅菌する時には、
槽内を加圧したり、真空にしたりして運転することが多いと思います。
この場合に、衣料などの槽内の各部温度が滅菌温度に到達するまで、
どの様に変化するのかを調べましたのでご紹介します。
>> 温度の測定箇所は
・オートクレーブ自体は缶体内面温度を測定し、
・衣類に似たものとして積層した不織布を使い、その中央温度を
測定しました。
▼ 測定方法とデータをこちらでご覧頂けます。
オートクレーブの温度変化(プレバキューム有り、実測結果)
https://www.validation-wa-nks.jp/2011/0203_110000.php
■ 思った以上に
積層した不織布の内部温度は、缶体内面温度より遅れて上昇してくる
ことが分かりました。
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加圧/真空を繰り返すことで大きな効果がありました。
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>> この装置では、加圧/真空を繰り返すことで、「不織布の内部」と
「缶体内面」が同じ温度に近づいてくることが分かります。
□ 1回目の加圧/真空操作では、温度差が『 43℃→4.4℃ 』と大幅に
接近しました。
□ 2回目の加圧/真空操作で、温度差が『 4.4 ℃→0.1℃ 』と
ほぼ同じ温度になりました。
■ この様に、加圧/真空して、蒸気の脈動を繰り返すことで、
不織布内部の空気が放出され、温度差が小さくなってくると考えられます。
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滅菌の対象となるもので確認することがベスト
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>> オートクレーブを安心して使うには、日々使っている滅菌条件での
温度データを知ることが重要だと思います。
●当社では、
フィールドでバリデーションの実務を行ってきたノウハウで、
どんな環境においても正しい数値をお届けしています。