バリデーション関連メルマガ第106号 温度槽の性能試験・表示方法に関するQ&A
前回のメルマガでは、インキュベータなどに適用される温度槽の規格の
切り替わりでの問題点やその対策をご紹介しましたが、
この記事に関する当社へのお問い合せから、現場で直面する素朴な疑問が
浮き上がってきていると感じました。
そこで、今回のメルマガでは、「現場で起こる3つの疑問」について、
当社の見解をお伝えしたいと思います。
【本 文】
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1.そもそも、「JTM」って何?
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>> 前回のメルマガでは、唐突に「JTM・・・」という英数字が出てきて
「これ何?」という方もおみえになったと思います。
⇒ この「JTM・・・」は、日本試験機工業会が発行する業界規格で、
温度槽や恒温恒湿室などを製造するメーカに適用されています。
ちなみに、
JTM K 01は・・・恒温恒湿室の性能試験方法及び性能表示方法
JTM K 07は・・・温度試験槽の性能試験方法及び性能表示方法
が決められています。
▼ 変更点の比較概要は、下記にてご覧頂けます。
『試験の仕様及び試験項目の説明資料』(pdf)
★ この規格の運用状況を関係の方にお聞きすると
来年の3月1日には、殆どのメーカさんで、この規格の表示方法に
切り替わるだろうとお話しされていました。
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2.業界の規格が、何故、使用者に関係するの?
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>> メーカさん向けの業界規格なのに、何故、使用者に関係するのかと
疑問をもたれる方も多いと思います。
⇒ その理由は、
例えば、使用している温度槽の良し悪しを管理するには、
「測定の手順」や「期待される結果」等を決める必要があり、
時には、この「測定の手順」や「期待される結果」は、第三者から
その根拠の説明を求められることがあります。
■ そのため、「測定の手順」や「期待される結果」の採用根拠として、
これらの業界規格の測定手順やデータが一般的に利用されるから
だと思います。
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3.どっちの規格のデータか分からない?
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>> 温度槽の評価試験を外部委託している場合等では、
今、持っているデータが、どっちの規格の評価試験の表示方法に
なっているか分からないこともある様です。
⇒ どっちの規格の表示なのかを見分ける簡単な方法は、
検査成績書の内容を見て(一例として)
・「温度分布」の記述があったら→「JTM K 01」になり
・「温度勾配」「空間温度偏差」の記述があったら→「JTM K 07」に
なります。
■ この場合は、成績書の記述だけでなく、測定に関わる手順も、規格に
合致しているか確認した方が良いと思います。
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“?”と思われたら、お気軽にお問い合せ下さい。
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>> 今回は、3つの疑問について当社の見解を述べさせて頂きました。
皆さんの疑問を解決する為の、この様なヒントであれば、当社として
お答えできると思います。
■「?」と思うことがありましたら、何なりと、お問い合せ下さい。
ご連絡をお待ち致します。