バリデーション関連メルマガ第108号[IQシリーズ]差圧伝送器の取付姿勢の影響
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IQ(据付時適格性確認)シリーズ[環境測定]
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当社には、設備・装置のバリデーションで「機器の据付時適格性確認
(IQ)を何故実施するのか?」時々、こんなお問い合せを受ける
ことがあります。
そこで、第104号と同じ差圧式伝送器の取付姿勢の測定データで
そんな疑問にお応えしたいと思います。
【本 文】
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取付姿勢による指示誤差はでるのか?
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>> 現場では、差圧伝送器の取付場所は「塔の頂」や「床下」など様々で
〈見易さ〉〈使い勝手〉が良いように、色々な格好(取付姿勢)で
取り付けられています。
□ ある時は表示部を「上向き」に、ある場所では「横向き」に・・・。
>> 差圧伝送器の取説にも、取付け姿勢はセンサー部を垂直にするのが
「最良」であるものの、一方で取付姿勢に制約はない、と記載されて
いる機器があります。
⇒ しかし、この差圧伝送器は、圧力を検出しているものだから、
誤差の出方は取付姿勢によって違ってくると思われるが・・・。
◆ そんな問題意識で、測定を行いました。
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測定結果は? ⇒ 思ったような誤差傾向になりました。
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>> 取付姿勢は、表示部が「上向き」「左向き」「右向き」の状態で、
環境温度は、「-5℃」「25℃」「50℃」で測定を行いました。
▼ 測定方法とデータをこちらでご覧頂けます。
https://www.validation-wa-nks.jp/2011/0623_110000.php
>> このデータでは、
右向きの状態が、どの環境温度でも、プラス方向の誤差を示しました。
⇒ これは、右向きにした時に、センサー部が重力の影響を受けたと
考えられます。
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IQを行う理由がこのデータにあります。
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>> 重力の影響を受けなくするためにも、差圧伝送器は、表示部を「上向き」
の様な状態に取り付けられることがベストと思いますが
⇒ 実際の現場では、重力や温度などの総ての影響を無視できるような設置が
難しいと考えます。
□ そのため、現場で据え付けられた状態で「期待される結果」が満足
されているかを確認することが必要になってきます。
● この確認作業が「据付時適格性確認(IQ)」となり、バリデーション
では重要な作業項目になります。
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即ち、使用環境で測定することがベストと言えます。
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>> この様に、取付状態や使用環境温度で誤差が生じる差圧式伝送器は
使用環境で精度を保証することが重要と言えます。
●当社は、
フィールドでバリデーションの実務を行ってきたノウハウで、
どんな環境においても正しい数値をお届けし続けます。