バリデーション@エヌケイエス株式会社 NKS

NKSバリデーション関連業務のエヌケイエス株式会社

ISO9001に準じた運用システム(QMS)でバリデーション(適格性評価)のサービスを専門にご提供

バリデーションに関する相談窓口
電話でのお問い合わせ
052-522-2184
メール送信フォームからお問い合わせ

バリデーション関連メルマガ第109号[規格シリーズ]CSV(コンピュータ化システム バリデーション)での戸惑い

 ——————————————————————
  CSV(コンピュータ化システム バリデーション)での戸惑い
 ——————————————————————
 昨年10月21日に、 「コンピュータ化システム適正管理ガイドライン」
(ここでは新ガイドラインと記します)が厚生労働省より発出された事により
 コンピュータ化された設備・装置では、従来のGMP「バリデーション
 基準」の要求をどの様に取り扱ったらよいだろうか?という戸惑いが
 生じてきていると感じています。
 
 そこで、今回のメルマガでは、
「現場でバリデーションを実施している立場」からそれらの戸惑いの要因と
 対応の考え方について、提案したいと思います。
【本 文】
 当社は、これらの規格要求で、直接的に監査や審査を受ける会社では
 ありませんが、
 フィールドでバリデーションの業務支援したり、バリデーションに関わる
 セミナーなどを各地で開催させて頂くなかで感じたことをメルマガの
 テーマとすることで、少しでも皆様の参考にならないかという気持ちで
 取り上げることにしました。
 
 ——————————————————————
  現場から見た戸惑いの要因は?
 ——————————————————————
 >> コンピュータ化された設備・装置には、2つの規格からバリデーション
   の要求があることが要因と思います。
  □ 一つは、下記に示すような「新ガイドライン」の要求
   《開発段階でのバリデーション作業要求のポイント》
    ・「プログラムテスト計画書の作成とプログラムテストの実施」
    ・「システムテスト計画書の作成とシステムテストの実施」
    ・「受入試験計画書の作成と受入試験の実施」
   《検証段階でのバリデーション作業要求のポイント》
    ・「DQ:設計時適格性評価」 ・「IQ:据付時適格性確認」
    ・「OQ:運転時適格性確認」 ・「PQ:性能適格性評価」
  □ もう一つは、バリデーション基準やGAMPでの要求
   《バリデーション作業要求のポイント》   
    ・バリデーション実施計画書の作成
    ・「設計時における適格性の確認」
    ・「設備の据付時における設備の適格性の確認」 
    ・「校正」 ・「稼働性能適格性の確認」      
    ・「実生産規模での確認」
  ● この様に、設備のバリデーション作業内容を決める2つの規格では
    同じ様な要求項目になっていることが分かります。
    そのため、どちらの規格に準拠したら良いのか、困ることになります。
 ——————————————————————
  そこで、困らないための提案としては!
 ——————————————————————
 >> まず、「新ガイドライン」は、2つの側面から成り立っていると
   考えてはどうでしょうか?
  ①開発段階は、ハードウェアとソフトウェアで構成されたコンピュータ
   という側面
  ②検証段階は、製造設備(装置)、支援設備(装置)という製造
   プロセスという側面
 ——————————————————————
  つまり、こんな風に考えられます。
 ——————————————————————
 「戸惑いの例」
  ・ある設備メーカーのコンピュータで制御された装置を導入することに
   なった。
  ・この装置は、設備メーカーから「新ガイドライン」のカテゴリ3に
   相当するため、「DQ」は不要と言われた。
  ・しかし、もう一つ適用されるGAMPの規格では、「DQ」は必須に
   なっている。
  ⇒ どうするのが良いのか・・・?
 「考え方例」
   上記の二つの側面から
    ★①のコンピュータという側面のカテゴリ3としてのDQは実施しない
    ★②の製造プロセスという側面のDQは実施する
   ● この様に考えることで、コンピュータ化システムの現場作業での
     戸惑いをなくしていけると思います。
 ※※・・・この様な規格が変わることでの「現場でのドタバタ」も、
     メルマガのテーマのひとつとして、ご紹介していきます・・・※※