バリデーション関連メルマガ第109号[規格シリーズ]CSV(コンピュータ化システム バリデーション)での戸惑い
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CSV(コンピュータ化システム バリデーション)での戸惑い
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昨年10月21日に、 「コンピュータ化システム適正管理ガイドライン」
(ここでは新ガイドラインと記します)が厚生労働省より発出された事により
コンピュータ化された設備・装置では、従来のGMP「バリデーション
基準」の要求をどの様に取り扱ったらよいだろうか?という戸惑いが
生じてきていると感じています。
そこで、今回のメルマガでは、
「現場でバリデーションを実施している立場」からそれらの戸惑いの要因と
対応の考え方について、提案したいと思います。
【本 文】
当社は、これらの規格要求で、直接的に監査や審査を受ける会社では
ありませんが、
フィールドでバリデーションの業務支援したり、バリデーションに関わる
セミナーなどを各地で開催させて頂くなかで感じたことをメルマガの
テーマとすることで、少しでも皆様の参考にならないかという気持ちで
取り上げることにしました。
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現場から見た戸惑いの要因は?
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>> コンピュータ化された設備・装置には、2つの規格からバリデーション
の要求があることが要因と思います。
□ 一つは、下記に示すような「新ガイドライン」の要求
《開発段階でのバリデーション作業要求のポイント》
・「プログラムテスト計画書の作成とプログラムテストの実施」
・「システムテスト計画書の作成とシステムテストの実施」
・「受入試験計画書の作成と受入試験の実施」
《検証段階でのバリデーション作業要求のポイント》
・「DQ:設計時適格性評価」 ・「IQ:据付時適格性確認」
・「OQ:運転時適格性確認」 ・「PQ:性能適格性評価」
□ もう一つは、バリデーション基準やGAMPでの要求
《バリデーション作業要求のポイント》
・バリデーション実施計画書の作成
・「設計時における適格性の確認」
・「設備の据付時における設備の適格性の確認」
・「校正」 ・「稼働性能適格性の確認」
・「実生産規模での確認」
● この様に、設備のバリデーション作業内容を決める2つの規格では
同じ様な要求項目になっていることが分かります。
そのため、どちらの規格に準拠したら良いのか、困ることになります。
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そこで、困らないための提案としては!
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>> まず、「新ガイドライン」は、2つの側面から成り立っていると
考えてはどうでしょうか?
①開発段階は、ハードウェアとソフトウェアで構成されたコンピュータ
という側面
②検証段階は、製造設備(装置)、支援設備(装置)という製造
プロセスという側面
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つまり、こんな風に考えられます。
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「戸惑いの例」
・ある設備メーカーのコンピュータで制御された装置を導入することに
なった。
・この装置は、設備メーカーから「新ガイドライン」のカテゴリ3に
相当するため、「DQ」は不要と言われた。
・しかし、もう一つ適用されるGAMPの規格では、「DQ」は必須に
なっている。
⇒ どうするのが良いのか・・・?
「考え方例」
上記の二つの側面から
★①のコンピュータという側面のカテゴリ3としてのDQは実施しない
★②の製造プロセスという側面のDQは実施する
● この様に考えることで、コンピュータ化システムの現場作業での
戸惑いをなくしていけると思います。
※※・・・この様な規格が変わることでの「現場でのドタバタ」も、
メルマガのテーマのひとつとして、ご紹介していきます・・・※※