バリデーション関連メルマガ第110号[OQシリーズ]マイクロチューブの穴の位置によって温度差があります
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[OQ(稼働時適格性確認)シリーズ]
マイクロチューブの穴の位置によって温度差があります。
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今回は、生化学などの試験や実験に使われる「マイクロチューブ」と
呼ばれる”小型の試験管”を恒温にする「ブロック インキュベータ」の
穴位置の温度データをご紹介します。
【本 文】
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基本的なこととして・・・
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>> 「ブロック インキュベータ」とは?
企業や大学などの研究所、実験室等でDNAを抽出するために
使用される小型の恒温装置です。
□ この装置は、特殊なヒーターやクーラーで恒温にしたプレートの
上に、「マイクロチューブと呼ばれる小型の試験管を入れた
サンプルホルダー」を乗せて使用され、
□ その使用用途から「マイクロチューブ インキュベータ」とも
呼ばれることがあります。
>> 当然、この「ブロック インキュベータ」も
一般的なインキュベータと同様に、正確で安定した温度が
要求されています。
■そして、この働き(機能)を検証することが、この装置についての
当社の実務となります。
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マイクロチューブの穴位置の温度を測定すると・・・。
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>> 恒温になったプレートの上に、「マイクロチューブ」を載せていますので
マイクロチューブの穴位置に相当したプレートの四隅と中央の表面温度を
測定しています。
今回は、設定温度37℃と68℃で測定しています。
▼ 測定箇所と温度データはこちらでご覧頂けます。
https://www.validation-wa-nks.jp/2011/0707_110000.php
■この機器では、上記のデータの様に、68℃で使用した場合の安定性は
一般的な温度精度(±0.3℃)ギリギリになることが分かりました
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他の「ブロック インキュベータ」は大丈夫かな?
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>> 今回測定したブロックインキュベータでは、ギリギリの温度精度
でしたが、試験には、問題がないことが確認でき一安心ですが、
他のインキュベータは大丈夫なのでしょうか?
■ 他の「ブロック インキュベータ」でも同じ様な傾向になっていると
考えられるのですが、温度表示を見るだけでは、必要な使用条件を
実現していると言い切れないと思います・・・。
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この不安を解消する方法はひとつ!!
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>> 「ブロック インキュベータ」の穴位置の温度が使用条件に合っている
ことを確認することです。
■ 機体差がありますので、
使用している「ブロック インキュベータ」で使用する穴位置の温度は
大丈夫というデータをとっておくことで、安心できると思います。
>> この測定は、バリデーションでは稼働時適格性の確認[OQ]と呼ばれ、
マイクロチューブ インキュベータを使った作業の品質を守るために
大変重要なことです。
⇒ 当社では、
稼働時適格性[OQ]検証項目の決定~フィールドでの検証作業~
報告書の作成までの一連のバリデーション作業を支援しています。