バリデーション関連メルマガ第114号[OQシリーズ]測定繰り返し回数(n)を考える。[その3]
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[OQシリーズ]測定繰り返し回数(n)を考える。[その3]
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前回、前々回のメルマガでは、「測定繰り返し回数(n)を考える」
として、恒温槽内を使った実験をお届けしました。
今回は、別の機器「外側マイクロメータ」を使って、測定の繰り返し
回数(n)を求める実験をご紹介します。
【本 文】
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長さ計だったら(n)はどうなるのか?
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>> 医薬品や医療機器の製造設備・装置は、現場でも、多くの機材や部材を
組み立てて製作されています。
そのため、その様な現場では組み立てに使われる機材、部材の長さを
据付時適格性の確認(IQ)として、測定する必要が生じてきます。
■今回は、その現場で、精密な長さを測定する「外側マイクロメータ」を
使った実験をしてみました。
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バラツキの少ないデータでした。
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>> この実験は、下記のデータに示しますように、既知のブロックゲージを
外側マイクロメータで複数回測定するものです。
▼ 測定の条件や測定データはこちらでご覧頂けます。
https://www.validation-wa-nks.jp/2011/0804_110000.php
■この様に、バラツキの少ないデータで、測定回数n=1でも問題の
ない結果だと思います。
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測定回数(n)の差から言えること
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>> 前々回、前回の恒温槽と今回の外側マイクロメータの実験結果からは
測定対象によって、測定回数を考えることが必要だと言えるのでは
ないでしょうか。
⇒二つの実験の大きな違いを考えると、下記の様な測定値に影響する
要素の多少ではないかと思います。
□恒温槽の場合は下記の様に要素の数が多いので⇒n=3以上
要素:調節計の制御精度、恒温槽全体の制御の応答性、
庫内の分布精度、測定に使ったセンサーの精度、
記録計の精度、室温の変化・・・
□長さ測定の場合は下記の様に要素の数が少ないので⇒n=1でOK
要素:使用した外側マイクロメータの精度、室温の変化・・・
※上記の点を考慮して、
測定回数(n)を考えていくことは出来ないでしょうか。
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この推論は妥当か?
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>> 次回は、別の装置・機器を使って実験することで、この推論を検証して
みたいと思います。