バリデーション関連メルマガ第117号[OQシリーズ]測定繰り返し回数(n)を考える。[完結編]
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[OQシリーズ]測定繰り返し回数(n)を考える。[完結編]
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今回は、「測定繰り返し回数(n)を考えるの完結編」として、2つの
実験と現状の考察(考察というのは、ちょっと大袈裟ですが)をお届け
致します。
【本 文】
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ひとつ目の実験
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>> この実験は、今までの実験データから気付いた「要素が少なくできれば
(n)が小さくなる」という考えを検証してみました。
実験方法は、前回のメルマガでご紹介しました同じ測定システムで、
環境温度、電源電圧を一定にして(要素を2つ減らした)実験を
行いました。
▼ 測定の条件や測定データはこちらでご覧頂けます。
No.84 電子天秤で分銅を繰り返し測定した結果
https://www.validation-wa-nks.jp/2011/0908_110000.php
■ 思った通り、結構安定したデータで「n=1」という結果になりました。
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ふたつ目の実験
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>> この実験は、秤を使って製品の重さを計るということを想定したモノで
要素が少ない測定のひとつと思います。
▼ 測定の条件や測定データはこちらでご覧頂けます。
No.85 電子天秤で分銅を繰り返し測定した結果
https://www.validation-wa-nks.jp/wp/2011/0908_111000.php
■ これも、思った通り、一回目で許容値に入る「n=1」という結果に
なりました。
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測定繰り返し回数(n)の現状での考察
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>> これまでの測定繰り返し回数(n)を求める実験から、測定繰り返し
回数を3回(n=3)以上行わなければならない時の条件を考えて
みました。
●条件1.測定環境の変化が大きい
・・> 過去の実績や文献などから、温度や湿度などが大きく
影響すると考えられる状況
●条件2.誤差が大きい測定器を使用しなければならない。
・・> 測定器自体の誤差が大きくなってしまう状況
●条件3.測定のシステムが安定していない。
・・> 例えば、初めての手順等を使った測定システムで
実施する状況
■ 今回のテーマの結論として、
上記の条件を検討することが、3回以上繰り返して測定した方が
良いかどうかの判断材料になると思いますが、如何でしょうか?
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パンドラの箱だったかも・・・。
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>> お問い合せを頂いたことに、何とか回答らしきものを出そうと
しましたが堂々巡りをしている感じになってしまいました。
このことは、ひょっとしたら、パンドラの箱だったかも・・・。
■ 今回のテーマは、大変だった実験の繰り返しでしたが、
測定回数(n)を考える「3つの条件」にたどり着けたことは、
ひとつの良い成果だったと思います。
※ これらの測定回数(n)についてのメルマガの情報が、お問い合せ頂いた
ことへの回答になっているのかとても不安ではありますが、今回号で
一区切りとさせて頂きます。