バリデーション関連メルマガ第128号[OQシリーズ]圧縮空気の固体粒子測定の注意点
——————————————————————
[OQシリーズ]圧縮空気の固体粒子測定の注意点
——————————————————————
今回は、最近、お問い合わせを頂くことが増えてきました「圧縮空気の
品質測定」の中の『固体粒子の測定方法』と『注意点』などについて
お届けします。
【本 文】
——————————————————————
始めに、圧縮空気の固体粒子測定の方法例をご紹介します。
——————————————————————
>>「製薬設備の駆動源」や「容器乾燥」に使われる圧縮空気の品質測定の
際には、普通は圧縮空気配管の末端で固体粒子数を測定することに
なります。
その為、空気の圧力が高い配管の末端から、「容量の大きな容器」や
「チューブ配管」を使って、測定する空気を取り出して、固体粒子を
パーティクルカウンタで測定することになります。
▼ 固体粒子の測定方法はこちらでご覧頂けます。
https://www.validation-wa-nks.jp/2011/1124_110000.php
■ この様に、固体粒子はパーティクルカウンタを使って測ることに
なるために、その測定原理から注意しなければならないことが
起こってきます。
——————————————————————
固体粒子を測定する際の注意点!
——————————————————————
>> 固体粒子をカウントするパーティクルカウンタは、内部に組み込まれた
ポンプにより、試料空気を吸引しますので、
試料を吸引する場所の圧力が、大気圧に極めて近い状態になっている
必要があります。
□ 当社では、上記の測定方法にあるように、容量の大きな容器を使ったり
チューブ配管で圧力損失させることで対応をしています。
■ そこで、実際の作業で、大気圧に近い状態にするためのチューブ配管の
長さを考える実験をしてみました。
——————————————————————
思ったような結果になりました。
——————————————————————
>> この実験では、空気の元圧を一定(0.83MPa)にして、長さを
変えたチューブ配管の出口の流量を測定しました。
▼ 測定の条件やデータはこちらでご覧頂けます。
https://www.validation-wa-nks.jp/2011/1124_111000.php
■ 当たり前ですが、チューブを順次長くする(maxは100m)と、流量値は
低下することが分かります。
——————————————————————
圧縮空気配管の末端圧力とチューブの長さを考えると・・・。
——————————————————————
>> ただ、今回の実験で測定した流量値からだけでは、どれくらいの長さの
チューブを使ったらよいか分かりませんが、
測定に使った「外形4φ X 内径2φ」のチューブでは、おおよそ、
10mで0.1MPa圧力が降下しますので、エアーの元圧によって、
チューブの長さを決めることが出来ます。
□ 例えば、元圧が0.8MPaであればチューブの長さを約80mに
といった感じに・・・。
■ しかし、実際の測定作業では、
上記の考え方を過信せずに、最終的には、チューブの出口から
そよ風程度の微量のエアーが出ていることを確認することも
重要だと考えます。
●当社では、フィールドでバリデーションの実務を行ってきたこの様な
ノウハウで、どんな環境においても正しい数値をお届けする努力を続けて
います。