バリデーション関連メルマガ 第133号[IQシリーズ]補償導線の繋ぎ間違いの影響
明けましておめでとうございます。
本年も宜しくお願い致します。
平成24年の第1回目のメルマガをお届けします。
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[IQシリーズ]補償導線の「つなぎ間違い」の影響
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今回は、久々にIQ(据付時適格性確認:校正)の情報として、新規の
設備立ち上げ時に起こった補償導線の「つなぎ間違い」の影響をご紹介
します。
この補償導線は、熱電対とほぼ同等の熱起電力特性を持った導線で、温度
センサーと監視盤(温度表示箇所)の間をつなぐ為に使用されています。
今回は、この補償導線を使った計装工事で、どんな間違いが、どれぐらい
データに影響するかを調べて、IQの重要性を再認識出来ればと考えました。
【本 文】
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補償導線とはどういうものか?
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>> 補償導線とは、
熱電対とほぼ同等の熱起電力特性の金属を使用した導線で、各々の
熱電対に対応した専用のものを使う必要があります。
▼ この補償導線の種類や諸特性はこちらでご覧頂けます。
https://www.validation-wa-nks.jp/2012/01/12/JISC1610-TC.pdf
■ この様に、様々な色や特性を持った補償導線を使った計装工事で
起こる「補償導線の±(プラス・マイナス)のつなぎ間違い」時の
現象を調べてみました。
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3パターンの「つなぎ間違い」を実験しました。
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>> ここでは、実際の現場の計装工事で、指定された補償導線を使っても
起こりそうな「つなぎ間違い」(以下のパターン2~4)を想定して
実験しました。
□ 今回の新規設備の立ち上げ時に起こった補償導線の「つなぎ間違い」
はパターン2で発生していました。
パターン1:正常な接続
パターン2:センサーの端子台で±逆に接続
パターン3:計器の端子台で±逆に接続
パターン4:センサー端子台、計器端子台”共に”±逆に接続
▼ パターン毎の「つなぎ間違い」で起こる現象(データ)はこちらで
ご覧頂けます。
https://www.validation-wa-nks.jp/2012/0112_110000.php
■ この様に、
センサーの端子台、計器の端子台どちらか一方で間違った場合は、
正常な接続とは真逆(反比例)のデータになり、
両方とも間違った場合は、同じ様(正比例)なデータになるが、
若干、値が高く(約2℃)出ることが分かります。
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この様な計装工事の間違いを見つけるには!!
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>> この実験にある様に、
常温(この実験では24℃)付近では、どのパターンでも温度表示に
大きな違いがないため、常温付近での表示温度を確認するだけでは
「つなぎ間違い」を発見することは難しいと考えられます。
■ やはり、工事後に「ループ校正」で正しく温度表示されること、つまり
IQ(据付時適格性確認:校正)を実施することが重要になります。
▼ 確認する方法は以下の[ループ校正とは、何?]をご覧下さい。
https://www.validation-wa-nks.jp/2010/0225_110000.php
※ 次回は、補償導線の第2弾として、熱電対に合わない補償導線を
間違えて使ったときの現象(データ)をご紹介します。