バリデーション関連メルマガ 第134号[IQシリーズ]補償導線の使い間違いの影響
——————————————————————
[IQシリーズ]補償導線の「使い間違い」の影響
——————————————————————
今回は、補償導線の「使い間違い」の影響をご紹介します。
前回のメルマガでは、正しい補償導線を使ったが配線の途中の接続に
間違いがあった場合のデータをご紹介しました。
今回は、間違った補償導線を使った時に発生する現象(データ)をお届け
します。
【本 文】
——————————————————————
改造の時には要注意!
——————————————————————
>> 新設時の計装工事では、熱電対に見合った補償導線が準備されるため
使用する補償導線を間違うことは殆どありません。
しかし、測定の方法を改造するときなどには、間違った補償導線を使う
リスクが出てきます。
今回の事例は、
より正しい温度を測定するために、使用温度での測定精度を上げようと
「K熱電対」を「T熱電対」に変えた為に起こってしまいました。
▼ 関連する補償導線の許容差は、こちらでご覧頂けます。
https://www.validation-wa-nks.jp/2012/01/12/JISC1610-TC.pdf
→ この時(熱電対交換時)、温度表示器の設定は、「K熱電対」から
「T熱電対」に変更したが、”補償導線の交換まで気付かなかった”
為に発生したものです。
——————————————————————
2つの「使い間違い」を実験しました。
——————————————————————
>> 上記の様な使い方を間違った熱電対と補償導線の2つの組み合わせを
実験しました。
□組み合わせ1:センサーがJ熱電対 + 補償導線がKタイプ
→この組み合わせは、センサーをK熱電対からJ熱電対に交換した
場合を想定しました。
□組み合わせ2:センサーがT熱電対 + 補償導線がJタイプ
→この組み合わせは、センサーをJ熱電対からT熱電対に交換した
場合を想定しました。
▼ この「組み合わせ間違い」で起こる現象(データ)はこちらで
ご覧頂けます。
https://www.validation-wa-nks.jp/2012/0119_110000.php
■ この様に、今回の測定条件では、正常(正しい補償導線を使用)の
状態より、ほぼ平行にチョット?(4℃~8℃)のズレが発生する
ことが分かりました。
——————————————————————
この様な補償導線の使い間違いを見つけるには!!
——————————————————————
>> 今回の使い間違いで発生する現象は、正常な状態から5℃ぐらい平行
移動したズレになっているだけのため、運転時の温度表示の値を確認
するだけでは、補償導線の使い間違いに気付くことは難しいと思います。
■ 使い間違いを見つける具体的な方法しては
□1.接続箇所での補償導線の被覆色を目視確認して、間違いを
見つけるか
□2.「何らかの試験」を行って見つけることになると考えます。
※ この「何らかの試験」として当社が推奨するのは「ループ校正」
です。
——————————————————————
やはり、「ループ校正」で見つけるのが確実と考えます。
——————————————————————
>> この様な間違いを見つけるには、熱電対の交換を行った時に「ループ
校正」を実施するのがベストと考えます。
▼ 「ループ校正」の方法は、以下の[ループ校正とは、何?]で
ご覧頂けます。
https://www.validation-wa-nks.jp/2010/0225_110000.php
●当社では、フィールドでバリデーションの実務を行ってきたこの様な
ノウハウを多用して、具体的なバリデーション方法をご提案致します。