No.103 電子天秤の環境温度の影響
[温度が電子天秤に及ぼす影響]
電子天秤は大変精密な機器です。それゆえ、外部の様々な要因の影響を受けます。
設置環境の温度もその一つです。
今回は、環境温度の変化による影響を確認する事にしました。
1. 測定の方法
1.1 今回のテストに用いた測定器
電子天秤 :型式〔PR5003DU〕 メトラー・トレド製
秤量〔0~1010g / 0~5100g〕 最小表示〔0.001g / 0.01g〕
直線性〔±0.003g/±0.01g〕
分銅 :200g
1.2 測定方法
測定は以下の方法にて実施しました。
①恒温槽に電子天秤をいれ、電源を投入してウォーミングアップする。
②ゼロ点を確認し、分銅(200g)を載せる。
③恒温槽を検査する環境温度にする。
④気流・振動などの影響を避けるため、恒温槽の運転を停止し、
二重扉の外側から速やかに指示値を読み取る。
⑤恒温槽を他の環境温度に設定し、同様に測定を行う。
【検査点】
環境温度 : 0/10/20/30/40/50/60℃
検査質量 : 200g
1.3 測定の状況
2. 測定の結果
2.1 環境温度と指示値
□測定結果から、
・基準の温度(20℃)より高いほど、質量が重く表示されました。
2.2 測定結果のグラフ
測定結果(指示値)と、基準(20℃/200g)との差のグラフは以下のようになります。
※操作のための二重扉開閉による影響排除と、高温時はエラーとなるため、
20℃でゼロcal後、調整せずに測定しました。
※質量の変化は温度による機械的な影響の他、気流・空気密度の変化(浮力)、湿度変化等が
影響している可能性も考えられます。
※今回の測定条件では以上のような結果となりました。
▼関連「装置の実験データ」はこちら
No.85 電子天秤で分銅を繰り返し測定した結果
No.101 天秤の傾きによる測定値への影響
No.102 天秤の傾きによる測定値への影響(使用時の視点から)
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