バリデーション関連メルマガ第146号 [OQシリーズ] 異物除去に使われるマグネットバーの磁力は劣化します。
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異物除去に使われるマグネットバーの磁力は劣化します。
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前回、前々回と製薬の工場などで広く使われている「磁性異物除去装置」の
マグネットバーの磁力の強さなどについてご紹介してきました。
今回は、一年で数%程度減磁すると言われているマグネットバーの磁力の
劣化(経年変化)についてお届けします。
【本 文】
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マグネットバーは一年で数%程度減磁(劣化)する?
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>> 一般的に、磁性異物除去装置に使われるマグネットバーの磁力は、
高温にさらされたり、腐食したりすると減磁すると言われています。
どうも、マグネットバーの使用環境によって、磁力が大きく変わる
ようです。
■ そこで、一定の温度環境を作って、マグネットバーの減磁量を
測ってみようと考えました。
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チョット無謀な実験をしました。
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>> 磁力の劣化が大きく現れそうな使用上限温度までマグネットバーを
暖めてみる無謀な実験をしました。
▼ この実験の内容・方法とデータは、こちらでご覧頂けます。
https://www.validation-wa-nks.jp/2012/0412_110000.php
■ 今回の条件では、1019Tが→873T(-14%)に低下するという
驚きの結果になりました。
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定期的な磁力測定が有効!
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>> 今回の実験結果から、使用環境による程度差はあるものの、マグネット
バーの磁力は低下(劣化)することは明らかになりました。
ここで起こってくる問題は、
磁性異物除去装置のマグネットバーの磁力が低下したまま使用して
しまうことだと考えます。
こんなマグネットバーを使い続けていると異物が原材料などに紛れ
込んでしまうこともあるかもしれません。
■ こんなリスクを避けるには、現場の環境で、定期的な磁力測定を
行うことが必要になってくると考えます。