バリデーション関連メルマガ 第163号 シリンジポンプの送液量測定作業現場での水の蒸発による質量変化!
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シリンジポンプの送液量測定作業現場での水の蒸発による質量変化!
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今回は、シリンジポンプの実際の送液量測定の現場環境を想定して、実際
の作業に見合った環境での、水の蒸発による質量の変化をご紹介します。
【本 文】
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現場環境で水の蒸発量を測定してみます。
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>> 今までの実験は、結構極端な環境(湿度が約20%等)の中で行って
きました。
そんな環境でも、OILを使って、水の蒸発を押さえることができま
したので、水の蒸発量は実際の測定の精度には大きく影響しないと
考えられますが、
□ 実際の作業をする現場の環境では、どんな感じになるか、調べてみて
測定のやり方に問題ないことを確認してみることにしました。
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短時間で水が蒸発することはありませんでした。
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>> この実験は、現場環境を26℃/50%ぐらいと想定して、その条件下
での水の蒸発量の変化を調べました。
▼ 測定方法とデータは、こちらでご覧頂けます。
https://www.validation-wa-nks.jp/2012/0822_110000.php
■ 今回の実験条件では、「OILなしの場合」は従来の実験の様に、
極端に水が蒸発していますが、「OILありの場合」は、殆ど水は
蒸発しないことが分かります。
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測定作業のポイントは、読み取りまでの時間!
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>> OILが入った容器の水の蒸発量の変化を細かく見ると
□ 大きな容器を使った場合は「約1分」までは変化しない
□ 小さな容器を使った場合は「約2分」までは変化しない
ということが分かりますので、
■ OILの入った容器に水を入れてから、大きな容器は”1分以内”に
又、小さな容器は”2分以内”に秤の表示を読み取れば、蒸発の誤差は
「0:Zero」になることになります。
□ これで、(この様な条件であれば)現場での作業が問題なく実施できる
ことが確認できました。
※ この実験でシリンジからの送液量をキチンと測定できることが分かり
安心できましたので、ここからは、シリンジポンプのバリデーションに
目を向けてみます。
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バリデーションでは「IQ」「OQ」を実施することになります。
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>> シリンジポンプをバリデーションするには、
□ 今回実験した送液量を測定して確認する(稼働性能の適格性:OQ)
ことと
□ OQの実施前にシリンジの駆動部が等速性能を確認する(据付時
適格性の確認:IQ)が重要ポイントになります。
次回は、この「シリンジの押し子が等速で動くこと」を確認する方法や
実際のデータをご紹介します。
■ 当社は、
フィールドでバリデーションの実務を行ってきたノウハウで、どんな
環境においても、お客様に満足して頂ける作業をお届けする努力を
続けています。