バリデーション関連メルマガ 第167号 試験室等で使われているポータブル温度計の正しい取り扱い方!
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試験室等で使われているポータブル温度計の正しい取り扱い方!
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今回は、キッチンタイマーに続きまして、現場で最もお問い合わせが多い
ポータブル温度計の正しい取り扱い方を独自の切り口でご紹介します。
【本 文】
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ポータブル温度計の取り扱いでの一つの疑問!
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>> ご存知の様に、このポータブル温度計は、温度を感知する「棒状の
センサー部」と感知した温度を表示する「本体部」で成り立っています。
そして、この温度計を使用する多くの人が、「棒状のセンサー部」を
”どれだけ試験物に浸したら正しい温度測定ができるのか?”という
疑問を持たれたことがあると思います。
■ そこで、この疑問を解決するために、センサー部を「試験物に浸す長さ」
によって、測定する温度はどのような値になるか調べてみることにしました。
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「センサー部の浸す長さ」によって、測定温度に違いがあることが分かりました。
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>> この実験は、温度によって抵抗値が変化するタイプのセンサー部
(一般的には測温抵抗体タイプの温度センサーと呼ばれる。)を使って、
恒温水槽内の水の温度を測りました。
この時、保温用PPボールを恒温水槽の水面全体に浮かべて、槽内の
温度を一定にして実験を行いました。
▼ 測定方法とデータは、こちらでご覧頂けます。
https://www.validation-wa-nks.jp/2012/0920_110000.php
■ この実験から、センサー部を浸す長さが短いと、最大で-0.2℃程の
誤差が出ることが分かりました。
※ この結果から、ポータブル温度計の取り扱い方を考えてみました。
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取り扱い方のポイントは”測温部全体を浸すこと”と考えられます。
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>> この実験で見つかった誤差は、測温部の構造上の特長から発生している
と考えられます。
その特長とは、測温部の先端数cm程度で温度を感知しているという
ことです。
▼ このセンサー部の構造上の特徴は、こちらでご覧頂けます。
https://www.validation-wa-nks.jp/2012/0920_110000.php#a
□ このため、正しく測定するには、測温部全体が水の中に浸っている
必要があると考えられます。
※ 当然ですが、このポータブル温度計は”校正”が行われていることも
重要なことです。
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違うタイプのセンサーも調べてみることにします。
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>> 次回は、同じようなポータブル温度計ですが、測温部が熱電対タイプの
ものを使って同様の実験をしてみます。
■ 当社は、
フィールドでバリデーションの実務を行ってきた測定のノウハウで、
どんな環境においても、お客様に満足して頂ける作業をお届けする
努力を続けています。