バリデーション関連メルマガ 第170号 試験室等で使われているアルコール温度計の正しい取り扱い方!
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試験室等で使われているアルコール温度計の正しい取り扱い方!
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今回は、試験室や実験室で、昔から頻繁に使われているアルコール温度計の
正しい取り扱い方についてご紹介します。
【本 文】
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実は、アルコール温度計に、「アルコール」は使われていない。
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>> アルコール温度計は、ガラス温度計の一種で、ガラス管の中に赤色に
着色された液(感温液)が入っているため、このように呼ばれています。
(赤色温度計と呼ばれるときもあります。)
■ 実は、この赤色の液には白灯油が使われていて、アルコールを使って
いないのに、どうしてアルコール温度計という名前が付いたのかは
良く分からないところです。
□ 今回は、こんなアルコール温度計を使って、前回同様の実験を行って
正しい取扱い方を考えてみます。
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取り扱い方の違いで、大きな誤差になりました。
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>> この実験は、アルコール温度計を①測る温度の目盛りまで浸した場合と
②最も下の目盛りまでしか浸さない場合の二通りの測り方で値を比べて
みました。
▼ 測定方法とデータは、こちらでご覧頂けます。
https://www.validation-wa-nks.jp/2012/1011_110000.php
■ 実験に使ったアルコール温度計では、
①の測り方では、測る温度の目盛りまで水の中に浸せば、ほぼ正しい
測定ができ、
②の測り方では、最大で-2℃の誤差がでることが分かりました。
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温度計の特長を知って取り扱うことが重要なことが分かりました。
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>> 今回のアルコール温度計では、測定温度の目盛りまで水の中に浸すことで、
正しく測ることができましたが、ガラス温度計の種類によっては正しく
測るための「浸没の条件」が違いますので注意が必要です。
■ ガラス温度計では以下が重要なことと考えます。
a. 板付温度計などは、温度計全体を測る温度に保つ「完全浸没」の
状態で測定する。
b. 今回の実験のように、浸没線のない一般の温度計は、感温液全体を
測る温度に保つ「全浸没」の状態で測定する。
c. 水銀温度計等は感温液柱の一部を露出した状態「部分浸没」で
測定する。
※ 分かりにくいと思いますので、これらの測定時の状態図を
▼ こちらでご覧頂けるようにしています。
https://www.validation-wa-nks.jp/2012/1011_111000.php
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改めて、正しい取扱い方が認識できました。
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>> 数回のメルマガでご紹介いたように、お問い合わせを頂いた各機器の
取り扱いについては、それぞれの特長を知ることが重要だと分かりました。
■ 当社は、
フィールドでバリデーションの実務を行ってきた測定のノウハウで、
どんな環境においても、お客様に満足して頂ける作業をお届けする
努力を続けています。