バリデーション関連メルマガ 第171号 アルコール温度計の露出補正の検証!!
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アルコール温度計の露出補正の検証!
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今回は、試験室や実験室で使われているアルコール温度計で水温等を測定
する時の露出補正についてご紹介します。
【本 文】
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アルコール温度計がしっかり浸っていなくても、測定値を補正する方法が
あります。
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>> 前回のアルコール温度計の実験で、最も下の目盛りまでしか浸さない
場合では、最大で「-2℃」の誤差がでることが分かりました。
しかし、誤差が出ると分かっていても、浅い容器を使った時など
温度計を必要な位置まで浸すことが出来ない場合もあります。
そんな時には、読み取った温度を正しい温度に修正する必要があります。
■ その誤差の修正は、アルコール温度計の感温部の露出部分の補正を
行うことで、正しい温度を求めることができると言われています。
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正しい温度を求める露出補正の仕方をご紹介します。
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>> この露出補正は
「温度計(感温液)の露出部分」と「周囲温度」を測るだけでOKです。
□ 露出を補正する式:補正値△t=nK(T-ts)
△t:補正値(測定値に加えます)
n:感温液の露出部分の度数
(感温液柱の露出部の長さを1度の目盛り間隔で除した値)
K:感温液のガラスに対する見かけの膨張係数
T:温度計の示度
ts:露出部分の平均温度
※ 今回は、この補正のやり方で本当に正しい温度になるかを実験で調べる
ことにしました。
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補正式を実験で検証しました。
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>> この実験は、アルコール温度計を「-35℃」の目盛りまで浸して、
0、30、50℃ の水温を測定しました。
▼ 測定方法とデータは、こちらでご覧頂けます。
https://www.validation-wa-nks.jp/2012/1018_110000.php
□ この実験に使ったアルコール温度計での「50℃」測定時の露出補正式
を検証してみます。
補正式の各値は
n:83(水に浸っている目盛値:|ー35|+温度計の読み値:48)
K:1/900(定数)
T:48(温度計の読み値)
ts:27(周囲温度)
になり、これで「補正値△t」を計算すると+1.94℃となります。
■ 即ち、測定値(48.0℃)+補正値(1.94)= 49.9℃になり、
露出補正することで正しい温度(50℃)が測定できることが分かりました。
※ 当社は、
フィールドでバリデーションの実務を行ってきたこのような測定の
ノウハウで、どんな環境においても、お客様に満足して頂ける作業を
お届けする努力を続けています。