バリデーション関連メルマガ 第181号 恒温槽で温度計のセンサを取付けたまま校正する方法の検証(熱電対センサ)
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恒温槽で温度計のセンサを取付けたまま校正する方法の検証
(熱電対センサ使用)
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明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願い致します。
今回は、昨年に引き続きまして、当社の恒温槽内の温度を準備した各種の
温度センサーを使って、同じ場所(近傍)を測定することで、校正方法の
有効性を検証します。
まずは、準備した熱電対タイプの温度センサを使って検証しました。
【本 文】
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検証方法を簡単に説明しますと
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>> 恒温槽に付いている温度センサと近傍に取り付ける温度センサには
さまざまな組み合わせがあると考えられますが
□ 今回は、(昨年、応答性等のデータを採った)
「被覆(先端テフロン皮膜)タイプのT熱電対」と「シースタイプの
T熱電対」の以下の3通りの組み合わせで実験し
①「被覆タイプのT熱電対」X「被覆タイプのT熱電対」
②「シースタイプのT熱電対」X「シースタイプのT熱電対」
③「被覆タイプのT熱電対」X「シースタイプのT熱電対」
→ 同じ時刻(タイミング)で双方の温度の差が無い状態(昨年の実験
で得られたデータと同じ状態)が続けば、「温度計のセンサを
取付けたまま校正する方法」は有効であると判断するものとします。
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今回の組み合わせでは、3通りとも、校正方法に有効性が認められました。
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>> 熱電対の3通りの組み合わせで、「外気温を測定している状態」から
→50℃の恒温槽の内部温度を測定しました。
▼ 測定方法とデータは、こちらでご覧頂けます。
https://www.validation-wa-nks.jp/2013/0110_110000.php
■ このように、3つの組み合わせ共、一定の時間が経つと双方の
温度はほぼ同じになりました。
※ 従って、恒温槽内の温度が安定しているという条件が付きますが
この校正方法は有効であると言えます。
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温度が安定した時が読み取りどきです。
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>> それは、以下の様に、双方の温度がほぼ同じになるまでの時間が違う
ということです。
□ ①の被覆熱電対の場合は →「86秒」
□ ②のシース熱電対の場合は→「98秒」
□ ③の被覆熱電対とシース熱電対の組み合わせでは→「234秒」
■ ここで、重要なポイントとしては、応答性の違うセンサを使うと
(組み合わせ③)双方の温度が同じになるまでの時間が結構掛かる
ということです。
即ち、今回のセンサを使った場合は、槽内の温度が安定してから
4分ぐらい待ってからデータの読み取りをする必要があります。
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次回は、測温抵抗体を使って同様の実験を行います。
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>> もう一つ準備した測温抵抗体センサを使って、同様の実験を行います。
※ 当社は、
フィールドでバリデーションの実務を行ってきたこの様な測定の
ノウハウで、どんな環境においても、お客様に満足して頂ける作業を
お届けする努力を続けています。