バリデーション関連メルマガ 第182号 恒温槽で温度計のセンサを取付けたまま校正する方法の検証(測温抵抗体センサ)
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恒温槽で温度計のセンサを取付けたまま校正する方法の検証
(測温抵抗体センサ使用)
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前回は熱電対センサを使って実験しましたが、今回は測温抵抗体センサに
変えて同様の実験を行い、測温抵抗体センサを使った校正方法の有効性を
検証します。
この測温抵抗体センサは、形状が大きく、応答性が遅いという短所も
ありますが、高精度(熱電対の1/10~1/2)で、安定度が高いため現場で
広く使われているものです。
【本 文】
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今回も、前回同様、3通りの組み合わせで実験します。
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>> 組み合わせは、以下の3通りでデータを採りました。
① 「シース測温抵抗体」X「シース測温抵抗体」
② 「フィルム測温抵抗体」X「フィルム測温抵抗体」
③ 「シース測温抵抗体」X「フィルム測温抵抗体」
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総ての組み合わせで、校正方法に有効性が認められました。
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>> 測定する方法は、前回同様「外気温を測定している状態」から→50℃
の恒温槽内の温度を測定しました。
▼ 測定方法とデータは、こちらでご覧頂けます。
https://www.validation-wa-nks.jp/2013/0117_110000.php
■ このように、3つの組み合わせとも、前回の熱電対センサと同様
一定の時間が経つと双方の温度はほぼ同じになりました。
※ 従って、熱電対同様、恒温槽内の温度が安定しているという条件
が付きますが、この校正方法は有効であると言えます。
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但し、時間は、熱電対センサより長くなりました。
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>> 双方の温度がほぼ同じになるまでの時間は、以下のように、シース
測温抵抗体がもっとも長くなりました。
※シース測温抵抗体が以前の実験データ(メルマガ第180号)では、
応答時間が最も長いセンサでした。
①のシース測温抵抗体の場合は →「290秒」
②のフィルム測温抵抗体の場合は→「184秒」
③のシース測温抵抗体とフィルム測温抵抗体の組み合わせでは→「246秒」
■ 従って、今回のセンサを使った場合は、①の場合が最も長くて
約5分後にデータを読み取る必要があります。
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次回は、装置内の温度条件を変えて検証してみます。
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>> この2つの検証は、恒温槽内の温度が一定であるという条件が付いて
います。
□ しかし、実際の現場で使われている恒温槽などでは、温度が一定でない
場合もあると思いますので
次回は、温度が一定でない状態で、この校正方法の有効性を検証してみます。
※ 当社は、
フィールドでバリデーションの実務を行ってきたこの様な測定の
ノウハウで、どんな環境においても、お客様に満足して頂ける作業を
お届けする努力を続けています。