バリデーション関連メルマガ 第183号 冷蔵庫で温度計のセンサを取付けたまま校正する方法の検証(熱電対センサ)
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冷凍庫で温度計のセンサーを取付けたまま校正する方法の検証
(熱電対センサ使用)
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今回は、当社の冷凍庫内を準備した熱電対タイプの温度センサを使って、
同じ場所(近傍)を測定して、校正方法の有効性を検証します。
【本 文】
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温度が一定でない装置で校正方法の検証を行います。
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>> 前回と前々回の2つの検証は、装置内の温度が一定であるという条件
付きですが、近傍を測定する校正方法が有効であることが分かりました。
□ しかし、実際の現場で使われている装置では、装置内の温度が一定
でない場合も多々あると思います。
そこで、今回は温度が一定でない冷凍庫を使って、この校正方法の
有効性を検証しました。
※ 有効性の判断は、
今まで通り、同じ時刻(タイミング)で双方の温度の差が無い状態
[温度差が±0.2℃以内]が続けば、「温度計のセンサを取付けた
まま校正する方法」は有効であると判断するものとします。
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今回も、今までの検証方法と同じように、3通りの組み合わせで実験しました
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>> 使用するセンサは、熱電対タイプを使用して、以下の組み合わせで
実際の冷凍庫内の温度を測定しました。
①「被覆タイプのT熱電対」 ×「被覆タイプのT熱電対」
②「シースタイプのT熱電対」×「シースタイプのT熱電対」
③「被覆タイプのT熱電対」 ×「シースタイプのT熱電対」
▼ 測定方法とデータは、こちらでご覧頂けます。
https://www.validation-wa-nks.jp/2013/0124_110000.php
■ 今回の条件での実験結果から、各組み合わせの有効性の有り、無し
を考えると
①の場合は、最大の温度差が「0.2℃(4分のデータ)」と双方の
温度がほとんど同じため、有効性があると判断します。
②の場合は、最大の温度差が「0.7℃」と微妙な数値になり、
有効性がないと判断します。
③の場合は、双方の温度に相当のズレ「1.3℃」があり、有効性は
認められません。
※ この有効性の有無は、以前のメルマガのデータ(メルマガ179号) から
考えると、センサの応答性の違いが要因と考えて良いと思います。
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従って、近傍を測定する校正作業では、応答性が同じようなセンサを使う!
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>> このように、センサの応答性を同じにすることが必要だと言えますが
同じ応答性のセンサを見つけることは、現実的には難しいと思いますので
装置についているセンサの仕様を調べて、同じ仕様のセンサを使つて
応答性を合わせることも一つの方法と思います。
但し、同じ仕様のセンサを使っても、今回の①のように温度差が出な
い場合もあれば、②のデータのように温度差が出る場合もありますので
注意が必要です。
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次回は、センサを変えて同様の実験を行います。
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>> もう一つ準備した測温抵抗体センサを使って、検証の有効性を確認する
ための同様の実験を行います。
※ 当社は、
フィールドでバリデーションの実務を行ってきたこの様な測定の
ノウハウで、どんな環境においても、お客様に満足して頂ける作業を
お届けする努力を続けています。