バリデーション関連メルマガ 第190号 不可解なオートクレーブ内部温度の記録状態が解決できた。
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不可解なオートクレーブ内部温度の記録状態が解決できた。
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今回は、オートクレーブ(高圧蒸気滅菌器)の無負荷試験を行っている時に
起こった記録計の不可解な記録現象とその対応についてご紹介します。
この無負荷試験はオートクレーブの他、インキュベータ(恒温槽)・
反応槽・調整槽などの装置・設備等で多くの作業実績があるものです。
【本 文】
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業務中に起こった不可解なこととは?
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>> 当社のバリデーション支援業務の「オートクレーブ内の温度分布」を
測定するという作業中に
1.5本の温度センサを、滅菌物を入れる「かご」だけのオート
クレーブ内に設置して
2.温度:121℃/時間:20分の設定でスタートさせると
3.オートクレーブ内に蒸気が充満し、温度が上昇してきたが
?.記録計の温度値が約4.5℃の範囲で「バラツク」という現象が
発生!
□ このような現象は、同じやり方をしているこれまでのオートクレーブ
での作業で、経験したことがないものでした。
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バラツキの原因はアースの有無でした。
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>> 原因を調査するために、
□「記録計の端子台の緩み」「蒸気の漏れ」等を確認したが、外観的
には異常を認めることが出来なかった。
□ そこで、床や壁に特殊な処理がされたクリーンルームのために、
記録計の動作を妨げる余計な電気信号(ノイズ)が微妙に影響して
いるのではと考えました。
※ このような試行錯誤を経て、電源コンセントのアース端子を接続
させることで記録温度の「バラツキ」を取り除くことが出来ました。
▼ アースが有る時と無い時のデータは、こちらでご覧頂けます。
https://www.validation-wa-nks.jp/2013/0314_110000.php
■ この結果から、この「バラツキ」は測定の現場環境で生じた、
何らかのノイズが影響したと考えられます。
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このような現場の情報から改善を進めています。
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>> 今回の経験からは、ノイズを除去する対策を手順に盛り込んで、各手順の
グレードアップを行いました。
□ 当社が作業する現場では、さまざまな環境の中で作業をするため
対策の方法も多岐に渡りますので
□ 考えられるひとつひとつの具体策を盛り込んだ手順(方法)に改良
することで、このような不可解なデータが発生することを回避して
いきます。
※ 当社は、
フィールドでバリデーションの実務を行ってきたこの様な測定の
ノウハウで、どんな環境においても、お客様に満足して頂ける作業を
お届けする努力を続けています。