バリデーション関連メルマガ 第192号 電気ホットプレートの表面温度分布測定方法の考察
——————————————————————
電気ホットプレートの表面温度分布測定方法の考察
——————————————————————
今回は、熱負荷試験に使用されることがある電気ホットプレートを取り上
げます。
この電気ホットプレートは、プレートの表面温度の状態が重要になめため、
より正しい表面温度測定ができる当社なりの工夫とそのデータをご紹介します。
【本 文】
——————————————————————
JIS規格の温度センサの取付方法を工夫してみました。
——————————————————————
>> JIS C 9215-1988の電気ホットプレートでは、温度センサを以下のように
取付けることを定めています。
□ センサの取付は、プレート面を清掃し、センサの先端をシリコンゴム系
パテ(約Φ5 x 1mm)によって固定し、更にその上から耐熱粘着テープ
(ガラス繊維系幅19mm)で止めるとあります。
→ 今回、これに準じた当社の方法で電気ホットプレートの表面温度を
測定をしましたが、設定温度から大幅にずれることが分かりました。
※ そこで、センサの上におもりを載せたり、全体にカバーをかぶせたり
するなど、当社なりの工夫で正しい測定が出来るか実験しました。
——————————————————————
4つの工夫「①~④」を考え実験してみました。
——————————————————————
>> 以下の順番に実験しました。
1. 温度センサをガラステープで固定する(JISの方法に準拠)
2. 1の状態で、センサ部をカバーをする「工夫①」
3. 2の状態に、温度センサ部とプレートの間にシリコングリスを
塗布する。「工夫②」
4. 3の状態で、温度センサに小さな固さ基準片を載せる。「工夫③」
5. 4の状態で、小さな固さ基準片の変わりに23.5mmのブロックゲージ
を載せる。「工夫④」
▼ これらの実験方法とデータは、こちらでご覧頂けます。
https://www.validation-wa-nks.jp/2013/0328_110000.php
■ 今回の実験の条件では、「①②④の工夫」の組み合わせが最も正しい値に
近い温度を測定できる方法になることが分かりました。
——————————————————————
この実験結果から、正しい測定ができる要因を考えてみました。
——————————————————————
>> 上記の2~5の状態で各工夫の表面温度測定への影響を考えると
□「工夫①」は、カバーによって、プレート表面からの放熱量が少なく
なったと考えられます。
□「工夫②」では、シリコングリスによって、センサがプレート表面に
密着したと考えられます。
□「工夫③」では、固さ基準片の重さで、センサがプレート表面により
密着したと考えられます。
□「工夫④」では、23.5mmのブロックゲージで、丁度よい状態で密着した
と考えられます。
■ このように、「温度センサとプレート表面との密着度合いを良くすること」と
「プレートからの放熱量を抑えること」で、より正しい測定が可能になる
ことが分かりました。
——————————————————————
今回も、手順のグレードアップにつなげました。
——————————————————————
>> この実験結果から、電気ホットプレートの表面温度分布測定の手順の
見直しを行いました。
※当社は、
この様な実験の方法や測定データ等のノウハウで、どんな環境に
おいても、お客様に満足して頂ける作業をお届けする努力を続けています。