HP165 電子天秤の傾きによる指示値の影響
概要
□以前「わずかな傾きが電子天秤の誤差になります」というテーマで実験をしました。
メルマガ読者の方から「水準の移動後にキャリブレーションを行い、その結果を
記載していただくほうが良いと思う」と問い合わせを頂きました。
※ここでの「キャリブレーション」は、
基準となるものを用い、機器の表示値を修正する意味合いです。
(例えば、基準の分銅を使って、電子天秤の目盛り付け(修正)を行う)
そこで、今回は、電子天秤の水準(傾き)を変えた後、キャリブレーションを実施しない
場合と、した場合の違いを調べてみます。
1. 確認対象
□対象とした天秤
・型式:GP-20K (エー・アンド・デイ社製)
秤量 〔0~21kg〕 最小表示〔0.1kg〕
直線性〔±0.2g〕
・分銅 :5kg/10kg
2. 測定の方法
□【天秤を傾けたあと、キャリブレーションをしない場合】
①天秤を水平に調整し、キャリブレーションする。
②分銅を載せ指示値を読み取り、分銅の質量との差異を求める。
③天秤の水準器の気泡が内円に接するよう、足コマを動かし傾ける。
④分銅を載せ、指示値を読み取る。
⑤さらに水準器の気泡が『内円を跨ぐ状態』 『外円に接触する状態』に傾け
それぞれで②同様分銅を載せて指示値を読み取る。
□【天秤傾けたあと、キャリブレーションをする場合】
①~⑤同様に傾けて分銅を載せるが、傾きを変えた後それぞれでキャリブレーションを行う。
□測定した内容
天秤への荷重 0/5/10(kg)
天秤の傾斜 4パタン
キャリブレーション 『水平時に1回のみ』『各傾きで行う』の2種
3.測定の結果
測定した結果は以下のようになりました。
上表をグラフにすると、以下のようになります。
□各傾きでキャリブレーションしない場合(水平時に1回のみ)
□各傾きでキャリブレーションした場合
□今回の測定では、傾けた後キャリブレーションを行った場合、誤差が出ない結果となりました。
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