バリデーション関連メルマガ 第207号温度センサ「挿入長さの違い」によって指示値が変わる?(その3)
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温度センサ「挿入長さの違い」によって指示値が変わる?(その3)
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前回のメルマガでは、外径3.2mmのシースタイプの測温抵抗体を10本
使って「現場での挿入長の決め方」が妥当であることを追確認しました。
今回は、外径が太いシースタイプの測温抵抗体でも「現場での挿入長の
決め方」に妥当性があるのかを確認しました。
【本 文】
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センサ外径が太いときの妥当性は?
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>> 試験室等で使用される外径3.2mmのセンサよりも、現場の精製水製造
装置等のプロセスではより太いものが使われています。
□ そこで、今回は外径「4.8mm」と「6.4mm」を準備して、実験する
ことにしました。
(また、外径「4.8mm/6.4mm」の同仕様の「3.2mm」も同時に実験
しました。)
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外径が太くなると温度差の出方が変わる?
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>> 実験の方法は、前回同様、恒温油槽の中に温度センサの挿入する長さを
「1cm~15cm」の範囲で段階的に変えて、その長さ毎に「温度センサの値」
と「標準温度計」との温度差を求めました。
▼ 実験の方法とデータはこちらでご覧頂けます。
https://www.validation-wa-nks.jp/2013/0718_110000.php
■ このように、「温度センサの値」と「標準温度計」との温度差が
ゼロになるのは、挿入長さが10cm以上(「4.8mm」と「6.4mm」
とも)になりました。
その倍数は
□「4.8mm」で→10cm(100mm)/4.8mm ≒ 20倍
□「6.4mm」で→10cm(100mm)/6.4mm ≒ 15倍 となります。
即ち、現場で挿入長の長さを決める目安となる”15~25倍”となり
外径が太くなっても、「現場での挿入長の決め方」が妥当で
あることを追確認できました。
※ 但し、上記の実験は、あくまで一例で、種々条件により計測値は
異なります。また、センサの性能を規定または保証するものでは
ありません。
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太くなっても、この決め方は信頼できる!
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>> センサの外径が太くなったら、温度差の出方が変わるのではないかと
思っていましたが、意外にも、目安の15~25倍に収まっていました。
□ ある程度太くなっても、”現場での挿入長の決め方”は信頼できる
ひとつの方法(考え方)だと一層安心することが出来ました。
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今度は、装置への接続の仕方に注目します。
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>> 次回は、センサの接続形状(フランジタイプ OR ヘルールタイプなど)で
「現場での挿入長の決め方」に妥当性があるのか実験で求めます。
※ 当社は、
フィールドでバリデーションの実務を行ってきたこの様な測定の
ノウハウで、どんな環境においても、お客様に満足して頂ける
作業をお届けする努力を続けています。