バリデーション関連メルマガ 第208号現場型温度センサ「挿入長さの違い」によって指示値が変わる?
——————————————————————
現場形温度センサ「挿入長さの違い」によって指示値が変わる?
——————————————————————
前回のメルマガでは、棒状温度計のように測定したい所に差し込んで使う
タイプの測温抵抗体のデータをお届けしました。
今回は、装置に取り付けるへルール継手接続タイプの測温抵抗体では
「挿入長さの違い」によって指示値がどのようになるのか調べてみました。
【本 文】
——————————————————————
へルール継手とは?
——————————————————————
>> 簡単に分解・洗浄・組み立てができるクイックカップリングの一種で、
「衛生的な(サニタリー)仕様」になっているものです。
□ その為、このへルール継手接続タイプの測温抵抗体温度センサは、
製薬会社や食品会社等で広く使われています。
→ 今回は、測温抵抗体に、このへルール継手の付いている位置によって
指示値がどんな感じになるのか実験しました。
——————————————————————
思ってたデータとは少し違ったデータがでました!
——————————————————————
>> へルール継手がセンサの先端から、10cm/5cm/2cm/1cmの位置に
付いている4種類の測温抵抗体を
前回同様、恒温油槽の中に温度センサの挿入する長さを「1cm~15cm」
の範囲で段階的に変えて、その長さ毎に「温度センサの値」と
「標準温度計」との温度差を求めました。
▼ 実験の方法とデータはこちらでご覧頂けます。
https://www.validation-wa-nks.jp/2013/0808_110000.php
この実験結果では、
□ へルール継手の取付位置がセンサの先端に近くなる(2cm/
1cm)とへルール継手の全体が浸没しないと正しい値が
でないこと
□ へルール継手の取付位置がセンサの先端から遠くなる
(10cm/5cm)とへルール継手の全体が浸没しなくても
正しい値がでることが分かりました。
このことは、
継手を付けたことによる影響が何らかあると思っていたが、
意外にも継手が付いていないときとほぼ変わらないことが
分かりました。
※ 但し、上記の実験は、あくまで一例で、種々条件により計測値は
異なります。また、センサの性能を規定または保証するものでは
ありません。
——————————————————————
へルール継手でも現場の決め方が使える!
——————————————————————
>> 3.2mmの測温抵抗体でへルール継手の付いている位置が変わっても、
総て挿入長さが5cmで、「温度センサの値」と「標準温度計」との
温度差がゼロになり、
今回の実験においても、正しいキャリブレーション(校正)をするため
には「挿入長はセンサ外形の15~25倍程度」という決め方が
実際の現場で使えることが分かりました。
——————————————————————
サイズが大きいへルール継ぎ手でも実験してみます。
——————————————————————
>> 次回は、サイズが一回り大きいタイプ(2S)のへルール継手で指示値
に影響がでるのか、出ないのかを実験します。
※ 当社は、
フィールドでバリデーションの実務を行ってきたこの様な測定の
ノウハウで、どんな環境においても、お客様に満足して頂ける
作業をお届けする努力を続けています。