バリデーション関連メルマガ 第212号 現場からのご質問を(一緒に)考えてみます。(その2)
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現場からのご質問の解決案を(一緒に)考えてみます。(2)
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前回のメルマガでは、当社のお客様やセミナーなどでお聞きした、規格の
解釈の仕方の「(1)バリデーション実施計画書には具体的に何を
盛り込んだら良いのか」の解決例をお届けしました。
しかし、読者の方から「何故、各々の書類が必要なのか分からない」と
コメントを頂きましたので、次回、当社が考えるバリデーション実施
計画書の目的や計画書に含まれる一連の書類が必要な理由をお届けします。
今回は、規格の解釈の仕方の「(2)校正の定義から、具体的に何を、
どのように校正したら良いのか」のご質問について解決策を考えてみます。
【本 文】
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まず、校正の定義の意味を考えます。
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>> 「校正」 は
必要とされる精度を考慮し、適切な標準器や標準試料等を用いて
製造行為中に使用される計測器の表す値と真の値との関係を求める
ことをいう。と定義されています。(バリデーション基準抜粋)
□ この定義から解決策を考えていくポイントは3つあります。
①必要とされる精度を考慮する。
②適切な標準器を選定する。
③製造行為中に使用される計測器が対象となる。
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「校正しないといけない計測器」をどのように見つけるのか?
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>> これは、上記の「③製造行為中に使用される計測器が対象となる」から
以下のような用途で使われている計測器を見つければ良いと思います。
□ 標準作業手順書(SOP)に記載されている数値を表示する計測器
□ 製造記録や試験記録に記載する数値を表示する計測器
□ キャリブレーション(バリデーション)の結果記録に記載する数値を
表示する計測器
■ これらの計測器を見つけて、校正の対象とします。
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次に「どのように校正するか」を考えます。
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>> 上記の「①必要とされる精度を考慮する」「②適切な標準器を
選定する」に基づいて、校正作業を実施することになります。
従って、重要なことは
□「手順を理解し、手順通りの作業ができる」などの力量が評価された
資格を有するものが作業すること
□ 作業手順は事前に妥当性が確認されていること
(手順があれば良いわけではありません。)
□ 作業に使用する標準器は「トレーサビリティを有すること」
「必要なの精度を有すること」「有効期限内であること」の要件を
満たすこと(測定出来れば良いわけではありません。)
■ この3つを守って(明確にして)、実施すれば良いということに
なります。
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次回は、再度、バリデーション実施計画書に戻ってご紹介します。
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>> 次回は、読者の方から頂いた「何故、各々の書類が必要なのか
分からない」とのコメントにつきまして、現場でバリデーションを
実施している立場から、改めてお届けします。
※ 当社は、フィールドでバリデーションを実施する立場から、規格の
要求内容や定義を具現化(具体化)して、お客様に満足して頂ける
作業をお届けする努力を続けています。