バリデーション関連メルマガ 第215号 現場からのご質問を(一緒に)考えてみます。(その4)
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現場からのご質問の解決案を(一緒に)考えてみます。(4)
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前回は、規格の運用の仕方①の「定期キャリブレーションで、判定精度を
外れた場合の処置の仕方」というご質問について、お届けしました。
今回は、規格の運用の仕方②の「機器の校正の間隔は?」というご質問に
ついて考えてみます。
【本 文】
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ご質問の内容を推測すると・・・。
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>> まず、「機器の校正の間隔」は、一般的には、校正周期と呼ばれるモノ
と考えて解決案を考えていきます。
ご存知のように、バリデーションや校正に関わる規格要求には、
このような校正周期が具体的に要求されていない(明記されていない)
ため
→ 校正周期は、計測機器の使用者の判断に任されているということに
なります。
□ 今回は、どんなことを検討して、校正周期を決めていったら良いのか
をご紹介します。
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検討する際の切り口を考えてみました。
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>> 以下のような「4つの切り口」から考えて、周期を決める方法が
あります。
1.使用されている環境は
・常温、常湿の普通の状態 ・・・1点
・高温でやや厳しい状態 ・・・2点
・高温、多湿で非常の厳しい状態 ・・・3点
2.使用頻度は
・月に数回しか製造しない ・・・1点
・週に数回製造する ・・・2点
・365日24時間連続的に製造している・・・3点
3.計測機器の精度の要求レベルは
・持っている精度より大幅な余裕がある ・・・1点
・あまり余裕はない ・・・2点
・持っている精度とほぼ同じ要求レベルになる・・・3点
(計測機器としては厳しい)
4.製造上の重要度は
・品質への影響がほとんどない・・・1点
・品質への影響がある ・・・2点
・品質への影響が極めて大きい・・・3点
※ 具体的には、得点の和が大きい程、計測機器に大きなダメージを与える
ため 校正周期は短くすると考えるのも一つの方法だと思います。
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一般的には、1年周期が多いと思います。
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>> 実際の現場で運用されている校正周期は
・3ヶ月・・・得点の和が極めて大きいとき
・6ヶ月・・・得点の和が大きいとき
・1ヶ年・・・得点の和が中程度(ここに分類される機器が最も多い)
・2ヶ年・・・得点の和が極めて小さい
こんな感じに分類されると考えます。
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次回は、微量液体中の温度測定方法の検証を行います。
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>> 従来は、温度測定が困難と考えていました微量液体中の温度測定について
お届けします。
※ 当社は、フィールドでバリデーションを実施する立場から、作業の
本質や規格の要求内容や定義を具現化(具体化)して、お客様に
満足して頂ける作業をお届けする努力を続けています。