バリデーション関連メルマガ 第217号 微量液体中の温度測定方法の検証(2)
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微量液体中の温度測定方法の検証(2)
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前回は、今まで、温度測定が困難と考えていた微量液体中の温度測定方法を
検証した実験データをご紹介しました。
今回は、前回の実験で誤差が大きくなった原因と思われる放熱の対策を行い
誤差が改善できるかどうか確認しました。
【本 文】
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「プラダン」を使った対策をご紹介します。
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>> 前回のメルマガで、
誤差が大きくなる原因は、センサの感温部近くの表面からたくさんの
熱が逃げる(放熱する)ということが分かりました。そして、マイクロ
プレートの表面に、断熱材を設けるという対策をご紹介しました。
□ 今回は、断熱材として「プラダン」を使ってみます。
「プラダン」とは、紙ダンボールと同じ形状をしたポリプロピレン製の
中空シートで、プラスチック製のダンボールと言うことで「プラ
ダン」と呼ばれているものです。
→ プラダンをマイクロプレートの表面に設けて、温度が高くなった時の
誤差が改善出来るかどうかを実験しました。
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「プラダン」は結構、効果があることが分かりました。
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>> 前回同様、ウェルに水を入れたマイクロプレート(断熱材付き)を
恒温水槽に浸して、そのウェルの温度を前回と同じ3種類の温度
センサで測定しました。
▼ 実験の方法とデータは、こちらでご覧頂けます。
https://www.validation-wa-nks.jp/2013/1017_110000.php
□ 実験結果のように、
どのセンサでも、前回よりも約60%誤差が小さくなりました。
※ 但し、上記の実験は、あくまで一例で、種々の条件により計測値は
異なります。また、センサの性能を規定または保証するものでは
ありません。
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この実験結果からは、細いセンサが使えそう!
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>> この対策によって、
□ 0.5Φの測温抵抗体センサが、どの温度においても誤差が最も
小さいことが分かりました。
□ また、この測温抵抗体センサは、±(0.15+0.002[t])℃と高い精度を
維持出来るものです。
※ このような特性から、0.5Φのような細い測温抵抗体センサで
あれば微量液体中の温度測定で使えそうなことが分かってきました。
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次は、追加のご質問の解決策を(一緒に)考えてみます。
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>> 「検証段階のDQは常に(必ず)入れなくてもよいものなのですか」に
ついて考えてみます。
※当社は、
この様な実験の方法や測定データ等のノウハウで、どんな環境に
おいても、お客様に満足して頂ける作業をお届けする努力を
続けています。