バリデーション関連メルマガ 第228号 二酸化炭素の濃度値は温度で変わる!
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二酸化炭素(CO2)の濃度値は温度で変わる!
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前回は、二酸化炭素(CO2)濃度計測定値の気圧変化についてお届けしました。
今回は、二酸化炭素(CO2)の測定値に影響を与えるもう一つの要素「温度」
の影響についてご紹介します。
【本 文】
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「気圧」と「温度」では、どちらが理論値との差が大きくなるのか!
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>> 赤外検出器を使った二酸化炭素の測定原理から「気圧」と「温度」の
影響を受けるということが分かっています。
前回のメルマガでは、「気圧」の影響をお伝えし、
①「気圧」の変化は、理論値にほぼ近いデータになる
②その理論値との差は、最大で「0.006%CO2」になり、センサの誤差
(0.03%CO2)の2割になる
ことが分かりました。
※ 今回は、もう一つの要素である「温度」による影響について調べ
「気圧」「温度」ではどちらが理論値との差が大きくなるか検証しました。
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「温度」の方が大きな影響が出ました。
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>> この実験では、
・密閉容器に二酸化炭素(CO2)濃度計をいれて
・容器内の温度を変化させて、
・二酸化炭素(CO2)濃度値を測定し
・そのデータが理論値通りの変化になっているか調べました。
▼ 実験の方法とデータは、こちらでご覧頂けます。
https://www.validation-wa-nks.jp/2014/0123_110000.php
実験結果からは
①「温度」の影響は、理論値に似たようなグラフになった。
②しかし、その理論値との差は、最大で「0.031%CO2」になり、センサの誤差
(0.093%CO2)の約3割にもなる。
ことが分かりました。
□ つまり、理論値との差は、「温度」の方が「気圧」より大きく(約1.5倍)
なることがわかりました。
※ 但し、上記の実験は、あくまで一例で、種々の条件により計測値は異
なります。
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とはいえ、校正の時は「温度」も「気圧」も補正してください。
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>> 前回/今回の実験での理論値との差は、
・「気圧」の場合
最大で「0.006%CO2」になりセンサの誤差(0.03%CO2)の2割。
・「温度」の場合
最大で「0.031%CO2」になり、センサの誤差(0.093%CO2)の約3割。
となり、結構大きな差になると思います。
やはり、前回のメルマガでの提案のように、
□ 校正するときは「温度」「気圧」を補正すること
□ CO2インキュベータ等で二酸化炭素の濃度が製品品質に大きく影響
しない場合は「温度」「気圧」の補正を行わなくても良い
と考えます。
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次回は、校正に使用する電気炉の特性を調べます。
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>> 温度センサの仕様(寸法や形状など)によって、様々な使い方をする
電気炉について実験をしてみます。
※当社は、
この様な実験の方法や測定データ等のノウハウで、どんな環境に
おいても、お客様に満足して頂ける作業をお届けする努力を続けています。
2015.10.20
本ページ記載内容に誤りがあり、測定結果の内容を一部訂正しました。