バリデーション関連メルマガ第230号 クリーンルーム内の空気の流れ(気流)を2つの方法で見比べてみました。
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クリーンルーム内の空気の流れ(気流)を2つの方法で見比べてみました。
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前回は、温度センサの仕様(寸法や形状など)によって、様々な使い方を
する校正用の電気炉の特性(均熱ブロックの温度)についてお届けしました。
今回は、風洞(人工的に空気の強さを加減できるようにしたトンネル型の
実験装置)を使って、クリーンルーム内の空気の流れ(気流)を模擬的に
2つの方法で試験しました。
【本 文】
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クリーンルームの気流試験は4つあります。
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>> ご存じのように、気流試験はクリーンルームの性能検査の一つになり
その試験方法は、JIS B 9917-3「クリーンルーム及び付属清浄環境
第3部:試験方法」に4つ決められています。
①タフト法(糸や布などを使って気流を可視化する方法)
②トレーサ注入法(純水などのミストを使って気流を可視化する方法)
③画像処理による気流の可視化法
④速度分布の測定による気流の可視化法
□ 今回の実験は、作業方法が比較的簡易な①②の試験方法で、クリーン
ルーム内の風の強さ(風速)によってどんな状態に見えるのかをご紹介します。
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フィルムとミストは同じような動きになりました。
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>> この実験では、空気の流れを可視化するために①のタフト法では「フィルム
の薄いテープ」を使い、②のトレーサ注入法ては「純水ミスト」を使いました。
また、実験の方法は、風速を変えることができる風洞の中に、「フィルム
の薄いテープ」と「純水ミスト」を設置して、その状態をカメラで撮って、
気流を可視化しました。
▼ 実験の方法とデータは、こちらでご覧頂けます。
https://www.validation-wa-nks.jp/2014/0206_110000.php
□ 写真のように、空気の流れはどちらも同じようになりましたが、
気流によるゆらぎは、トレーサ注入法の方が分かり易いと思います。
※ 但し、上記の実験は、あくまで一例で、種々の条件により計測値は異
なります。
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二つの試験法の注意点を纏めてみました。
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>> この試験法では、クリーンルーム内の気流の状態等が簡単に分かり
ますが次のような注意点もあります。
①タフト法では
使用するタフトは、絹糸,布,その他の材料など気流の追従性の
良いものを使う必要があります。
②トレーサ注入法では
使用する粒子は、空気とほぼ同じ性質で測定場所に浮遊させることの
できる泡や直径が 0.5μm~50μmの純水等のミストを使う必要があります。
また、①②とも、流れを可視化した後は,(一般には)施設を再清掃する
ことが重要だと考えます。
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次回は、別のタフトを使って気流確認します。
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>> 今回の実験は、フィルムの薄いテープを使いましたが、タフトの種類に
よって、結果の違いが出るのか実験してみます。
※当社は、
この様な実験の方法や測定データ等のノウハウで、どんな環境に
おいても、お客様に満足して頂ける作業をお届けする努力を続けています。