バリデーション@エヌケイエス株式会社 NKS

NKSバリデーション関連業務のエヌケイエス株式会社

ISO9001に準じた運用システム(QMS)でバリデーション(適格性評価)のサービスを専門にご提供

バリデーションに関する相談窓口
電話でのお問い合わせ
052-522-2184
メール送信フォームからお問い合わせ

バリデーション関連メルマガ第230号 クリーンルーム内の空気の流れ(気流)を2つの方法で見比べてみました。

 ——————————————————————
  クリーンルーム内の空気の流れ(気流)を2つの方法で見比べてみました。
 ——————————————————————
 前回は、温度センサの仕様(寸法や形状など)によって、様々な使い方を
 する校正用の電気炉の特性(均熱ブロックの温度)についてお届けしました。
 今回は、風洞(人工的に空気の強さを加減できるようにしたトンネル型の
 実験装置)を使って、クリーンルーム内の空気の流れ(気流)を模擬的に
 2つの方法で試験しました。
【本 文】
 ——————————————————————
  クリーンルームの気流試験は4つあります。
 ——————————————————————
 >> ご存じのように、気流試験はクリーンルームの性能検査の一つになり
   その試験方法は、JIS B 9917-3「クリーンルーム及び付属清浄環境
   第3部:試験方法」に4つ決められています。
    ①タフト法(糸や布などを使って気流を可視化する方法)
    ②トレーサ注入法(純水などのミストを使って気流を可視化する方法)
    ③画像処理による気流の可視化法
    ④速度分布の測定による気流の可視化法
  □ 今回の実験は、作業方法が比較的簡易な①②の試験方法で、クリーン
    ルーム内の風の強さ(風速)によってどんな状態に見えるのかをご紹介します。
 ——————————————————————
  フィルムとミストは同じような動きになりました。
 ——————————————————————
 >> この実験では、空気の流れを可視化するために①のタフト法では「フィルム
   の薄いテープ」を使い、②のトレーサ注入法ては「純水ミスト」を使いました。
  
   また、実験の方法は、風速を変えることができる風洞の中に、「フィルム
   の薄いテープ」と「純水ミスト」を設置して、その状態をカメラで撮って、
   気流を可視化しました。
   ▼ 実験の方法とデータは、こちらでご覧頂けます。
     https://www.validation-wa-nks.jp/2014/0206_110000.php   
  □ 写真のように、空気の流れはどちらも同じようになりましたが、
    気流によるゆらぎは、トレーサ注入法の方が分かり易いと思います。
  ※ 但し、上記の実験は、あくまで一例で、種々の条件により計測値は異
    なります。
 ——————————————————————
  二つの試験法の注意点を纏めてみました。
 ——————————————————————
 >> この試験法では、クリーンルーム内の気流の状態等が簡単に分かり
   ますが次のような注意点もあります。
   ①タフト法では
    使用するタフトは、絹糸,布,その他の材料など気流の追従性の
    良いものを使う必要があります。
   ②トレーサ注入法では
    使用する粒子は、空気とほぼ同じ性質で測定場所に浮遊させることの
    できる泡や直径が 0.5μm~50μmの純水等のミストを使う必要があります。
   また、①②とも、流れを可視化した後は,(一般には)施設を再清掃する
   ことが重要だと考えます。
 ——————————————————————
  次回は、別のタフトを使って気流確認します。
 ——————————————————————
 >> 今回の実験は、フィルムの薄いテープを使いましたが、タフトの種類に
   よって、結果の違いが出るのか実験してみます。
   ※当社は、
     この様な実験の方法や測定データ等のノウハウで、どんな環境に
     おいても、お客様に満足して頂ける作業をお届けする努力を続けています。